1996 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子導入法を応用した心筋再生賦活化による重症心不全に対する新しい治療法の開発
Project/Area Number |
08557079
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Section | 試験 |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松田 暉 大阪大学, 医学部, 教授 (00028614)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金田 安史 大阪大学, 細胞生物工学センター, 助教授 (10177537)
正井 崇史 大阪大学, 医学部, 助手 (30273650)
澤 芳樹 大阪大学, 医学部, 助手 (00243220)
門場 啓司 大阪大学, 医学部, 講師 (00185886)
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Keywords | 遺伝子導入 / 心不全治療 / Beta2 Adrenergic Receptor |
Research Abstract |
正常成ラット心にBeta2-Adrenergic receptor(BAR)遺伝子をin-vivo導入し、isoproterenol(ISP)投与前後で心機能を検討した。方法:DNAconstruct : CMVプロモーターを有する発現ベクターpcDNA3.1(Invitrogen)にBARcDNAを組み入れた、約7kbpのplasmidである。HVJliposome-DNAcomplex:上記plasmidをliposomeで封入し、これに不活化したHVJウイルスを付着させた。実験方法:約250gのSDラットから心停止液による心停止下に心を摘出し、上行大動脈から逆行性にHVJ liposome-DNAcomplexを0.8ml注入し(BAR(+)群)、冠動脈から心筋全体に潅流させた後、0℃、10分間放置し、遺伝子を導入する。次に、約250gのレシピエントラットの腹部に導入後の心を移植し、約4日間蛋白の発現を待つ。4日後に腹部から心を摘出し、Ca1.25mEqのランゲンドルフシステムを用いて、心機能(心拍数、心室圧、単位時間当たりの収縮期圧変化および拡張期圧変化)をISP投与前後で測定する。次に、組織の免疫染色で蛋白の発現と局在を確認し、binding assayで蛋白の定量を行った。BARcDNAを除いたHVJliposome-DNAcomplexを注入した心をBAR(-)群とし、対照とした。結果:human BARに特異的な一次抗体を用いた免疫染色では、BAR(+)群でのみ細胞膜がラベルされ、binding assayによるBAR密度はBAR(+)群で平均120pmol/mg protein、BAR(-)で平均30pmol/mg proteinと、有意にBAR(+)群で高値であった。また、心機能はISP投与前は心拍数、心室圧、単位時間当たりの収縮期圧変化および拡張期圧変化ともに差は認めなかったが、ISP投与後には心室圧、単位時間当たりの収縮期圧変化および拡張期圧変化は有意に高値を示した。結語:1.BAR遺伝子をHVJ liposome法を用いて、正常ラット心に導入し、蛋白発現を確認した。2.BAR密度は対照の約4倍であった。3.BAR遺伝子を導入した心では、ISPに対する左室の反応性が向上した。
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Research Products
(1 results)