1998 Fiscal Year Annual Research Report
哺乳類頭部神経堤細胞の移動開始から歯・骨・軟骨形成までを解析する長期培養系の開発
Project/Area Number |
08557097
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental Univercity |
Principal Investigator |
江藤 一洋 東京医科歯科大学, 歯学研究科, 教授 (30014161)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今井 元 東京医科歯科大学, 歯学研究科, 特別研究員(PD)
井関 祥子 東京医科歯科大学, 歯学研究科, 助手 (80251544)
飯村 忠浩 東京医科歯科大学, 歯学研究科, 助手 (20282775)
池田 正明 東京医科歯科大学, 歯学研究科, 助教授 (20193211)
|
Keywords | 器官培養 / 哺乳類全胚培養 / 頭部神経堤細胞 / 鰓弓 / メッケル軟骨 / 蛍光色素 / 歯胚 / 長期器官培養 |
Research Abstract |
本研究室では、ラット胚全胚培養と下顎器官培養を組み合わせることにより、哺乳類胚を材料として神経堤細胞の移動前から軟骨・歯胚・舌・洞毛などの組織分化までをin vitroで再現することが可能な長期培養系を開発している。 1) 長期培養系の確立 A) 哺乳類全胚培養系と下顎器官培養系を組み合わせることにより、頭部神経堤細胞の移動時期から歯胚・メッケル軟骨・骨・舌などの形態形成・組織分化が起こる時期までをin vitroで再現できる長期培養系を確立した。 B) 哺乳類全胚培養系と上顎器官培養系を組み合わせ、頭部神経堤細胞の移動時期から歯胚・洞毛などの形態形成・組織分化が起こる時期までをin vitroで再現できる長期培養系を確立した。すなわち、頭部神経堤細胞の移動時期からラット胚の全胚培養を開始し、2日間の培養後、上顎もしくは下顎顔面原基を摘出して器官培養を6〜10日間行った結果、歯胚・メッケル軟骨・舌・洞毛などの形態形成・組織分化がin vitroで再現された。 2) 歯胚の間葉細胞の由来 移動前の頭部神経堤細胞を蛍光生体色素で標識し、第一鰓弓の歯胚の予定形成域に到達する頭部神経堤細胞の移動開始時期と神経管上の位置を明らかにした。次に、その特定した時期及び位置の頭部神経堤細胞を標識して、1)で確立した系を用いて、哺乳類の歯胚間葉が中脳の神経堤細胞に由来することを明らかにした。 3) 歯胚の上皮細胞の由来(アデノウイルスを用いて標識遺伝子を組織特異的に導入する系の確立) 昨年度は、アデノウイルスを用いて標識遺伝子を組織特異的に導入した後、長期間培養(全胚培養+上下顎器官培養)を行う系を確立した。本年度は、この系を用いた組織特異的な遺伝子導入とDiIを用いた組織特異的な細胞標識により、歯胚が前腸内胚葉由来の上皮と神経堤細胞由来の間葉の存在領域で形成されることを示した。
|
Research Products
(11 results)
-
[Publications] Imai,H.,Osumi-Yamashita,N.,Ninomiya,Y.,and Eto,K: "Contribution of early-emigrating midbrain crest cells to the dental mesenchyme of the mandibular molar tooth in rat embryos." Developmental Biology. 【of sun】6. 1996 (151-165)
-
[Publications] Osumi-Yamashita,N et al.: "Cranial anomaly of homozygous rSey rat is associated with a defect in the migration pathway of midbrain crest cells." Devel.Growth & Differ.39(1). 53-67 (1997)
-
[Publications] Chareonvit,S.,Osumi-Yamashita,N.,Ikeda,M.,and Eto,K.: "Murine fore brain and midbrain crest cells generate different characteristic derivatives in vitro." Develop.Growth Differ.39. 493-503 (1997)
-
[Publications] Osumi,N.et al.: "Pax-6 is involved in specification of the hindbrain motor neuron subtype." Development. 124. 2961-2297 (1997)
-
[Publications] Iseki S.,Wilkie A.O.M.,Heath J.K.,Ishimaru T.,Eto K.and Morriss-Kay G.M.: "Fgfr2 and Osteopontin domains in the developing skull vault are mutually exclusive and can be altered by locally applied FGF2." Development. 124. 3375-3384 (1997)
-
[Publications] 今井 元、江藤一洋: "神経堤細胞と歯胚形成" 口腔病学会誌. 64. 388 (1997)
-
[Publications] Masato Ota,Kazuhiro Eto,Youichirou Ninomiya,and Masa-aki Ikeda: "Accumulation of p300 mediates transcriptional repression of Simian Virus 40 enhancer in undifferentiated F9 embryonal carcinoma cells." Cell Growth & Differentiaton. 9. 989-997 (1998)
-
[Publications] Imai,H.,Osumi-Yamashita,N.,and Eto,K.: "Contribution of Foregut Endoderm to Tooth Initiation of Mandibular Incisor in Rat Embryos." European Jurnal of Oral Science. 106. 19-23 (1998)
-
[Publications] 石黒 聡子: "ラットMsx遺伝子のクローニングと初期胚における発現および下顎軟骨発生における役割" 口腔病学会誌. 66. 33-45 (1999)
-
[Publications] 今井 元、飯村 忠宏、太田 正人、江藤 一洋: "形態形成・分子メカニズム研究研究の最新技術 哺乳類全胚培養と下顎の器官培養を連続させた長期培養法・" 財団法人 口腔保健協会, 187-191 (1998)
-
[Publications] 池田正明、太田正人、中島雄介、龍福正行: "「新しい発光システムを応用したマルチレポーターアッセイ-ルシフェラーゼアッセイによる転写活性測定法とその応用」脱アイソトープ実戦プロトコール2 キット簡単編" 秀潤社, 334-346 (1998)