1997 Fiscal Year Annual Research Report
歯周疾患の新しい診断法の開発-歯肉溝滲出液中のhHGFの動態と病態の検討-
Project/Area Number |
08557100
|
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
大工原 恭 鹿児島大学, 歯学部, 教授 (40028733)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
町頭 三保 鹿児島大学, 歯学部・附属病院, 助手 (80253897)
大西 智和 鹿児島大学, 歯学部, 助手 (30244247)
|
Keywords | 肝細胞増殖因子 / 上皮細胞分散因子 / HGF / 歯周炎 / 歯肉溝浸出液 / 高感度ELISA / 組織修復 |
Research Abstract |
高感度ヒト肝細胞増殖因子(hHGF)測定系を開発するため、ニワトリ抗hHGF抗体(IgY)を調製し,これをビオチン化して、アビジン・パーオキシダーゼと組み合わせることにより、新しいサンドイッチ法のELISAを開発した。この新しいhHGF ELISAの感度は、10pg/mlであり、現在臨床で用いられている測定系の約10倍である。これを用いて、歯周炎患者から歯肉溝浸出液をペリオペ-パ-により採取し、そのhHGF濃度を測定したところ、2〜5ng/mlと血清中のhHGF濃度の10倍以上高く、歯肉炎症時にhHGFが局所で産生され、組織の修復に関与していることをうかがわせる結果が得られた。しかし、健常歯肉の歯肉溝浸出液は容量的に極めて少なく、上記のEFISAでは測定出来なかった。なお、このELISAは特許を出願すると共に、心筋梗塞などの新しい診断法として、現在臨床応用を模索中である。 健常歯肉の歯肉溝浸出液中のhHGFを測定するため、ウサギ抗hHGF抗体(IgG)を新たに調製し、これをアフィニティ精製した後、Fab'化してβ-ガラクトシダーゼで標識することにより、さらに高感度なhHGF ELISA系の開発を試みた。これについては現在検討中であるが、予備実験での感度は0.2pg-mlであった。今後ノイズレベルの低下、測定系の安定化を計り、次年度中には健常歯肉も含めて、種々の歯肉炎時の歯肉溝浸出液中のhHGFを測定しうるELISAを開発し、歯周疾患の新しい診断法を確立する計画である。
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] Ohnishi,T.: "Effect of phosphorylated rat fetuin on the growth of hepatocytes in primary culture in the presence of human hepatocyte-growth factor." Eur.J.Biochem.243. 753-761 (1997)
-
[Publications] 新垣 尚捷: "肝再生因子とシグナル伝達" BioClinica. 12. 863-867 (1997)
-
[Publications] Harvey,P.: "Expression of HGF/SF in mesothelioma cell lines and its effects on cell motility,proliferation and morphology." Br.J.Cancer. (in press). (1998)
-
[Publications] Arakaki,N.: "Hepatocyte growth factor/scatter factor activates the apoptosis signaling pathway by increasing caspase-3 activity in Sarcoma 180 cells." Biochem.Biophys.Res.Commun.(in press). (1998)
-
[Publications] Kazi,J.A.: "Changes with age in rat fetuin concentration in serum and its mRNA expression." J.Biochem.(in press). (1998)