1997 Fiscal Year Annual Research Report
光硬化型グラスアイオノマーセメントの専用プライマーの実用化に関する研究
Project/Area Number |
08557107
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
小野瀬 英雄 日本大学, 歯学部, 教授 (70059426)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
広田 一男 株式会社ジーシー, 研究所, 所長
金丸 壽良 日本大学, 歯学部, 助手 (30277454)
安藤 進 日本大学, 歯学部, 講師 (40120365)
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Keywords | 試作プライマー / 接着耐久性 / 光硬化型グラスアイオノマーセメント / 象牙質接着 / 接合界面 / サーマルサイクル試験 |
Research Abstract |
本研究では,光硬化型グラスアイオノマーセメントの象牙質接着性を向上させる研究の一環として,専用のデンティンプライマーを開発するために,接着性を向上させるに有効であると考えられる組成のデンティンプライマーを試作し,これらの含有率を変え象牙質接着強さ,接合面や接合界面の電顕的観察および接着耐久性試験から検討し,以下の結論を得た。 1.試作デンティンプライマーに用いる機能性モノマーとしては,カルボン酸系モノマーに比較してリン酸エステル系モノマーが,象牙質接着強さを向上させた。とくにその接着効果は,EPHにおいて最も高くなる傾向を示した。 2.試作デンティンプライマーの組成の至適含有率としてはBis-MEP5wt%,EtOH20wt%,およびHEMA35wt%であり,製造者指示のデンティンコンディショナ-処理よりも明らかに大きな象牙質接着強さが認められた。 3.試作デンティンプライマーを用いた接着試片の試験後の接合界面の電顕的観察では,光レジンにおけるハイブリッド層と同様に,セメントマトリックス含浸層様の含浸層が認められ,それらの試験片では象牙質の凝集破壊例が一部に認められた。 4.試作デンティンプライマーを用いた接着耐久性試験では,対照として用いた光レジンによる接着安定性に優れる成績を示した。 以上の結果から専用のデンティンプライマーを製作,使用することによって光セメントの象牙質接着性の向上が可能であることが示唆された。また,デンティンプライマーはボンディング材のように層状構造物を接着界面に形成するはないことから,セメントから徐放されるフッ素の歯質取り込みを阻害することはないものと考えられた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 岩崎圭祐,安藤進,小野瀬英雄 他: "光硬化型グラスアイオノマーセメントに関する研究 -とくに試作プライマーを用いた象牙質接着界面の電顕的観察について-" 日本歯科保存学雑誌. 40・4. 1063-1071 (1997)
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[Publications] 川又 稔: "光硬化型グラスアイオノマーセメントに関する研究 -とくに試作プライマーがその象牙質接着強さにおよぼす影響について-" 日本歯科保存学雑誌. 40・6. 1378-1386 (1997)