1997 Fiscal Year Annual Research Report
能動的骨誘導再生法(active-GBR)を用いた顎堤形成術の開発
Project/Area Number |
08557113
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
榎本 昭二 東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (40013940)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 正次 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (90272608)
原田 清 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (30228639)
立川 敬子 東京医科歯科大学, 歯学部, 講師 (70236537)
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Keywords | GBR(骨誘導再生法) / rhBMP(骨形成タンパク) / PLLA(ポリ-L-乳酸) / active GBR |
Research Abstract |
Guided Tissue Regeneration (GTR)の中に,骨再生のみを目的としたGuided Bone Regeneration (GBR)(骨誘導再生法)という考え方があるが,口腔外科領域で扱うような広範な骨欠損がある場合には,現在考えられているGBRでは骨欠損部の補填が大変難しい。われわれは、すでに吸収性の高分子生体材料であるポリ-L-乳酸(PLLA)を延伸成形することによって作製した膜をGBRに応用することを考案し、すでにPLLA膜がGBRに用いる隔壁としての条件(生体親和性・封鎖性・スペース確保)を満たしていることを確認した。本研究においては、スペースを確保して骨組織の再生を待つだけではなく、ここにリコンビナントヒト骨形成タンパク(rhBMP)を応用し、積極的に骨の誘導をはかる(active-GBR)試みを行った。 <方法>実験にはビ-グル犬を用い、両側下顎第二、第三および第四前臼歯を抜歯した後、抜歯窩が上皮にて被覆されるまで約3ヶ月間放置した。この部位に区域切除を加え、ここに厚さ100μmのPLLA膜を適合させた。さらに骨欠損部充填材としてrhBMPを用いた場合の骨組織の再生状態を確認した。術後時間経過とともに新生される骨の状態は、軟X線写真・pQCT・三次元CT・硬組織研磨標本により評価した。 <結果>rhBMP非充填群においては形成された骨組織の量はわずかであったが、rhBMP充填群では経時的に著明な骨形成が観察された。また、rhBMP充填群における骨形成量は濃度依存的であった。 以上により延伸成形PLLA膜は顎骨欠損に対するGBR法に有用であり、rhBMPを応用することにより、より優れた結果が得られることが判明した。今後これらの結果を口腔外科領域における機能的顎骨再建に応用し、臨床での実用化の可能性を追求したい。
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