1997 Fiscal Year Annual Research Report
自己免疫性動脈硬化発症モデル動物の開発:抗apo-AI自己抗体及び酸化HDLの臨床的意義の把握
Project/Area Number |
08557133
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
梅田 真郷 (財)東京都臨床医学総合研究所, 炎症研究部門, 研究員 (10185069)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
五十嵐 浩二 東ソー株式会社, 生物工学研究所, 研究員
金井 晃 東ソー株式会社, 生物工学研究所, 所長
新井 盛夫 東京医科大学, 臨床病理教室, 助教授 (00212605)
米川 博通 (財)東京都臨床医学総合研究所, 実験動物研究部門, 研究員 (30142110)
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Keywords | アポリポタンパク質 / 動脈硬化 / 高密度リポタンパク質 / 自己抗体 / 血栓 / 自己免疫 / 膠原病 / コレステロール |
Research Abstract |
血栓症を併発している全身性エリテマトーデス患者末梢血からリンパ球を分離し、Epstein-Barr virusを感染による形質転換、さらに自己抗体産生株のミエローマと細胞融合により、安定な抗アポA-I自己抗体産生ハイブリドーマ9株(いずれもIgM産生株)を樹立した。そのうち代表的な3株とこれまでにマウスより樹立してきているモノクローナル抗体6株を用いて、アポA-I上の結合部位の解析を行った。具体的には、ヒトアポA-IをCNBr処理により4つのペプチドフラグメント(CF1-4)に分解し、各々のペプチドフラグメントを逆相液体クロマトグラフィーにより分離後、そののアミノ酸配列を決定することにより各フラグメントを同定し、自己抗体の結合性をELISAにより検討した。その結果、検討したいずれの自己抗体株ともにN末端CF-1フラグメント(N末端よりの86アミノ酸残基よりなるペプチド)にのみ結合することが明かとなった。 我々の見い出したアポA-I自己抗体はアポA-Iそのものへの結合性は極めて弱く、酸化ストレスを受けたHDL上のアポA-Iあるいは過酸化脂質(と複合体を形成したアポA-Iに強く結合する。これらの知見を合わせると、我々の見い出した抗アポA-I自己抗体は酸化ストレスを受けたHDL中に生ずる脂肪酸モノヒドロペルオキシドとアポA-Iが相互作用することにより、アポA-Iの構造変化が引き起こされ、自己抗体結合部位であるN末端部分が露出することにより、自己抗体と結合し得る状態となると考えられた。
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