1996 Fiscal Year Annual Research Report
臨床薬物治療学における新しい分子薬理学的解析法の確立と応用
Project/Area Number |
08557144
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Section | 試験 |
Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
田中 利男 三重大学, 医学部, 教授 (00135443)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中 充子 三重大学, 医学部, 助手 (10093139)
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Keywords | 薬物治療学 / 分子薬理学 / 螢光ディファレンシャル・ディスプレイ法 / 病態遺伝子 / 薬物治療遺伝子 / キャピラリー電気泳動 / マルチメディアデータベース |
Research Abstract |
薬物治療学は臨床医学の中心的な領域であり、その科学的基礎を確立することが薬理学の大きな役割である。本研究では、我々は最新の分子生物学的手法をこの研究領域に導入して、現在の臨床薬物治療学の問題点を克服することを試みている。現在まですでにヒト病態において発現が変動する遺伝子群(“病態"遺伝子群)のいくつかをディファレンシャル・ディスプレイ(DD)法より明らかにし、クローニングした。しかし臨床薬物治療に応用するためにはまずヒト病態の遺伝子発現をすべてフィンガープリンティングする必要があり、したがってより微量なサンプルで、より高速に遺伝子発現を解析する技術が要求される。そこで、超微量サンプルを用いた高速DD法の開発に着手した。また、細胞に発現しているすべてのmRNAの変化を解析するためにはPCRの条件の最適化及び高速全自動化が必要不可欠であり、我々は全自動キャピラリー電気泳動システムを導入し、その可能性を検討している。 また、ヒト病態及び病態モデル動物及び分化モデル細胞に対する薬物治療時に変動する“薬物治療"遺伝子群マッピングを行っており、その中のいくつかの“薬物治療"遺伝子についてcDNAクローニング中である。 このようにして“病態"遺伝子群と“薬物治療"遺伝子群のフィンガープリンティングを同時に行い、薬物治療の分子機構における各治療遺伝子の役割を明らかにするとともに、これら“薬物治療遺伝子"のマルチメディアデータベースを構築を試みている。
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[Publications] Takuya Komada: "Novel Specific Chemotactic Receptor for S100L Protein on Guinea Pig Eosinophils" Biochem.Biophys.Res.Commun. 220. 871-874 (1996)
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[Publications] Kamane Nakatani: "Interaction of Propranolol with S100 Proteins of the Cardiac Muscle" European Journal of Pharmacology. 315. 335-338 (1996)
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[Publications] 田中利男: "カルシウムイオンと好酸球性炎症" CLINICAL CALCIUM. 6・12. 9-12 (1996)
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[Publications] 田中利男: "薬理学メーリングリストの創設と活用状況" 日薬理誌 Folia Pharmacol. Japan. 108. 31-35 (1996)