1997 Fiscal Year Annual Research Report
正弦波運動負荷を用いた循環応答の動特性評価法の開発
Project/Area Number |
08558006
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Research Institution | International Budo University |
Principal Investigator |
池上 晴夫 国際武道大学, 体育学部, 教授 (10091878)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本間 幸子 日本女子体育大学, 基礎体力研究所, 助手 (90257080)
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Keywords | 正弦波運動負荷 / 心拍数 / イナーシャリティ |
Research Abstract |
運動の変化に対する循環応答の動特性を評価する新しい方法を開発する目的で、運動強度を正弦波状に変化させたときの心拍変動を、運動の周期との関連において検討した。自転車を用いて、種々な周期で、30watt(≒10%VO_<2max>)〜60%VO_<2max>の強度間を正弦波状に反復させたときの、心拍変動幅(A)および心拍応答曲線の遅れ時間(Δt)と周期(T)との関係を分析した結果、AとTの関係は1次指数関数モデルによって、またΔtとTの関係は1次指数関数と1次関数(直線)の複合モデルによってよく近似させることができた。Tの小さい領域では、Δtには指数関数成分の関与が強いのに対して、Tが大きい領域ではΔtには直線成分の関与が強い。以上の所見は、心拍調節系にイナーシャリティ(I)という概念を導入することによってよく説明できることを示した。 そこでIの計測法を工夫し、その妥当性を吟味した。Iの大小は運動強度の変化に対する心拍調節系の応答特性に関連していて、これが小さい人は応答が速く、運動の変化により速やかに適応することができるのに対して、Iが大きい人は心拍応答が遅く、運動変化に対する適応能力が劣ると考えられる。I、T、A、およびΔtの相互関係を検討した結果から、Iは心拍調節系の高周波特性と低周波特性の両方を包含する指標であることが示された。さらにIの計測に必要なすべての情報を一回の運動負荷テストによって得るための方法として、可変周期正弦波運動負荷法を考案し、実際に実験して実用性を検討し、実用に耐えられる方法であることが判明した。 以上から、今回提案されたイナーシャリティは循環系の動特性を評価するのに有用な指標であり、またその測定には可変周期正弦波運動負荷法が適していると結論された。
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