1996 Fiscal Year Annual Research Report
住民意識を考慮した水害時避難行動シミュレーションシステムの開発
Project/Area Number |
08558039
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Section | 試験 |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
堀 智晴 京都大学, 工学研究科, 助教授 (20190225)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
立川 泰人 京都大学, 防災研究所, 助教授 (40227088)
高棹 琢馬 京都大学, 工学研究科, 教授 (30025895)
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Keywords | 水害 / 避難 / 洪水 / 氾濫 / 意識 / 被害軽減行動 / 防災 / 社会システム |
Research Abstract |
本研究の目的は,申請者らが検討を進めてきた水害避難行動ミクロモデルをもとに,データ作成・条件設定・シミュレーション・およびモデル同定までを一体化かつ自動化した水害避難行動シミュレーションシステムを開発することにある. 平成8年度は研究計画の初年度として,水害避難ミクロモデルの同定アルゴリズムとシミュレーションシステムの部分システムの仕様を中心に検討を行なった.具体的な成果は以下の通りである. 1.疑似アンケート手法を用いた水害避難ミクロモデルの同定アルゴリズムの開発 水害時の住民行動調査では,避難回避時刻や浸水位,行動理由等意識過程に関連する項目がアンケート調査されることが多い.一方,申請者らが開発を進めてきた水害避難ミクロモデルは,流域住民各世帯の感じる危険性を危険認識度としてパラメタライズし,行動様式をAI技術を用いてルールベース化することを通じて,住民が避難行動を決意するまでの心理過程を含めて避難行動をシミュレーションするものである. そこで,ミクロモデルを用いて避難行動をシミュレーションした後、各世帯の危険認識度の動きや採用ルールを分析することにより,現地調査で行なわけるアンケート項目に対する回答を導く方法を提案した.さらに,計算機上に再現された住民世帯に対して,避難シミュレーションと疑似アンケートを繰り返し行ない,その結果が現地調査結果と一致するようにパラメータを変更することにより,モデル同定を行なった. 2.避難行動シミュレーションシステムの基本仕様と確定の部分システムの開発 水害行動シミュレーションシステムの具体的開発の基礎段階として,データ入力や氾濫シミュレーションシステムとの情報交換プロトコル,画面表示形式の設定などの仕様を検討した.特に,システムの大規模化・複雑化に対応し,部分システムの更新などを容易にするため,オブジェクト指向の設計手法を導入し,データ入力サブシステム・モデル同定サブシステム・避難行動再現サブシステムの基本仕様をまとめた.
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