1998 Fiscal Year Annual Research Report
災害による「こころの傷」のケア・トレーニング・プログラムの開発
Project/Area Number |
08558040
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
林 春男 京都大学, 防災研究所, 教授 (20164949)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
羽下 大信 神戸市外国語大学, 教授 (20117021)
立木 茂雄 関西学院大学, 社会学部, 教授 (90188269)
西尾 メリー 岡山理科大学, 助教授 (30230030)
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Keywords | 災害ストレス / 心のケア / PTSD / ローカルゲートキーパー / ソーシャルサポート / バーンナウト |
Research Abstract |
平成10年度は3つの側面から,心のケアマニュアルの完成を最終目標に置いて,検討を行った.第1は,被災者ケアプログラムである,ここでは平成9年に国際トラウマストレあス学会で発表した成果を踏まえて,被災者の支えになったものが震災前からの人間関係の豊かさによって規定されており,震災後に登場した心のケアの専門家による直接的な影響力は小さい事実に着目した.その結果,心のケア専門家の主たる役割を被災者への直接的なケアとするのではなく,地元にいて日常被災者と接触し,さまざまな面でリーダーとなるローカルゲートキーパーへの啓発を主体としたプログラムの開発を試みた,第2は災害対応に従事する人々を対象としたケアプログラムである.地元の行政や公益事業者,さらに他地域の応援などで災害対応に従事する人.あるいはボランティアとして被災地で活動する人たちのバーンアウト予防を目的としたストレスケアプログラムの開発を試みた.第3はケアプログラムのマネージメントのためのプログラムである.そうした個別ケアプログラムを災害対応の流れに即して展開し,10時間,100時間,1000時間という被災地の状況変化を踏まえて,ケア活動全体の後方支援するためのプログラムの開発を行った.現時点では,これらの成果のとりまとめにあたっている.
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Research Products
(8 results)
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[Publications] 林 春男: "被災者の自立と被災地の復興防災学にとっての心のケアとは何か" 医学書院 精神医学. No.40. 865-872 (1998)
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[Publications] 林 春男: "災害人類学の構築に向けての試み-災害民族史の試作とその体系化-" 1998年地域安全学会論文報告集. No.8. 14-19 (1998)
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[Publications] 林 春男: "被災者からみた阪神淡路大震災における心のケア活動の評価" 第3回都市直下地震災害総合シンポジウム論文集. 573-576 (1998)
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[Publications] Hage Daishin: "The Invisible Dance in the Face of The Scattered" 神戸外大論叢. 49巻1号. 43-50 (1998)
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[Publications] Nishio,Mary: "The causes of recent youth violence in Japan and possible measures to preventfutherincidents" 岡山理科大学紀要. 第34号B. 115-139 (1998)
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[Publications] 立木 茂雄: "災害ストレスとエコロジカルモデル-構造方程式モデルによる震災ストレスとコーピングの検討-" 社会学部紀要. 第76号. 101-115 (1998)
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[Publications] 羽下大信: "臨床心理士のスクールカウンセリング3" 誠信書房, 11 (1998)
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[Publications] 立木茂雄: "震災ストレスと家族システムの対処に関する計量的研究" 昭和堂, 15 (1998)