1998 Fiscal Year Annual Research Report
プロセッシングのための磁気中性線放電(NLD)プラズマの振舞に関する研究
Project/Area Number |
08558045
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
村岡 克紀 九州大学, 大学院総合理工学研究科, 教授 (80038546)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 正博 日本真空, 技術開発部, 室長(研究職)
林 俊雄 日本真空, 技術開発部, 部長(研究職)
内田 岱二郎 日本真空, 副社長(研究職)
MARK Bowden 九州大学, 大学院総合理工学研究科, 助教授 (10260720)
内野 喜一郎 九州大学, 大学院総合理工学研究科, 教授 (10160285)
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Keywords | 磁気中性線放電 / プロセシングプラズマ / 電子密度・温度 / レーザートムソン散乱法 / レーザー誘起蛍光法 / 誘導結合方式 / 容量結合方式 / スパッタリング |
Research Abstract |
磁気中性線放電(NLD)においては,リング状の磁気中性線(NL)に高周波誘導電界を印加することにより高効率でプラズマを発生させることができる。本研究は,NLDのプロセシングプラズマ源としての可能性を検証することを目的としている。まず,NL周りの電子挙動に着目し,レーザートムソン散乱法による電子温度・密度分布の測定,およびレーザー誘起蛍光法による励起原子密度分布の測定を行って,NLDプラズマ中の励起電離過程を解析した。その結果,NL上での電子の加熱がNLDプラズマの生成に本質的役割を果たしていることを明らかにした。これらの電子挙動の大要は既に提案されている二次元的なモデルの解析と一致するものであったが,プラズマ生成効率の磁場勾配依存性については,実験結果と二次元モデルでは矛盾が生じた。すなわち,NL周りでの磁場勾配が小さい程二次元モデルにより計算される電子のエネルギーは高くなるのでプラズマ粒子の生成も頻繁になることが予想されたが,実験的に測定されたイオン粒子束はある有限の磁場勾配の値に対して最大となった。この矛盾を解消するため,三次元的なモデルを提案するとともに,これに電子=中性粒子間衝突および高周波誘導電界の空間的減衰の効果を取り入れた。このモデルにより,電子のエネルギーを最大とする磁場勾配の存在を示すことができ,その磁場勾配最適値は実験とほぼ一致するものであった。 NLDのプロセシングプラズマ源としての応用は,これまでエッチング用途に対して進められてきた。スパッタリング用途については,高周波アンテナの存在が隘路となって,NLDを応用することが困難となっていた。本研究においては,容量結合方式のNLDを提案して高周波アンテナを無くし,それを具体化する装置を設計した。容量結合NLDでの電子挙動を上記三次元モデルで解析し,誘導結合方式と同様の電子加熱が期待できることを示した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 陳巍,林俊雄,他: "4.磁気中性線放電(NLD)プラズマ" プラズマ・核融合学会誌. 74・3. 258-265 (1998)
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[Publications] W.Chen,M.Itoh,他: "Dry Etch Process in Magnetic Neutral Loop Discharge Plasma" Japanese Journal of Applied Physics. 37・1. 332-336 (1998)
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[Publications] T.Uchida: "Magnetically Natural Loop Discharge Plasma Sources and System" Jounal of Vacuum Science and Technology A. 16・3. 1529-1536 (1998)
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[Publications] W.Chen,M.Itoh,他: "Sio_2 Etching in Magnetic Neutral Loop Discharge Plasma" Jounal of Vacuum Science and Technology A. 16・3. 1594-1598 (1998)