1997 Fiscal Year Annual Research Report
富栄養化した湖沼に発生するアオコ毒素(ミクロシスチン)検出用キットの開発
Project/Area Number |
08558056
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
白井 誠 茨城大学, 農学部, 教授 (10007792)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 光一 株式会社ヤトロン, 技術部, 部長
児玉 治 茨城大学, 農学部, 教授 (00007791)
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Keywords | ミクロシスチン / アオコ / 肝毒素 / Microcystis aeruginosa / シアノバクテリア / モノクローナル抗体 / ラン藻 |
Research Abstract |
1.毒素遺伝子のクローニング 2種のミクロシスチン(7-desmethylmicrocystin-LR、3,7-didesmethylmicrocystin-LR)を生産するMicrocystis aeruginosa K-139株よりペプチド合成酵素遺伝子をクローン化した。そのひとつは5つのアミノ酸活性化ドメインを含む約19kbの遺伝子で、3つの翻訳単位から構成されている。本遺伝子は1つのD型アミノ酸、1つのメチル化アミノ酸および3つのL型アミノ酸活性化ドメインを有していた。またこの遺伝子から作製したプライマーを用いて毒性株ゲノムDNAを鋳型にPCR増幅を試みたところ、90%以上の相同性を持った遺伝子がいずれの毒性株からも検出された。更にこの遺伝子を破壊したところ、2種のミクロシスチンを生産するK-139株のミクロシスチン生産能は消失した。このことは本遺伝子がミクロシスチン合成酵素遺伝子であることを示している。ミクロシスチンは7つのアミノ酸から構成されることから、残りの2つのアミノ酸を活性化するための遺伝子のクローン化をすすめている。このクローン化の過程で毒素と異なるペプチド合成酵素遺伝子がクローン化された。現在これらの知見をもとに、毒性株検出のための遺伝子プローブを開発中である。 2.抗体によるアッセイ法の開発 数種のモノクローナル抗体を取得し、様々の毒素試料を調製し、検出感度を検討した。しかし分離した抗体の毒素との反応性あるいは感度が必ずしも良いとはいえないことから、更に感度の良いモノクローナル抗体の作製を試みている。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] M.Asayama: "A new sigma factor homolog in a cyanobacterium" Biochim.Biophys.Acta. 1351. 31-36 (1997)
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[Publications] 白井 誠: "医学微生物学の最先端" 菜根出版, 7 (1997)