1998 Fiscal Year Annual Research Report
富栄養化した湖沼に発生するアオコ毒素(ミクロシスチン)検出用キットの開発
Project/Area Number |
08558056
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Research Institution | IBARAKI UNIVERSITY |
Principal Investigator |
白井 誠 茨城大学, 農学部, 教授 (10007792)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 光一 ヤトロン, 研究所, 所長
児玉 治 茨城大学, 農学部, 教授 (00007791)
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Keywords | ミクロシスチン / ペプチド合成遺伝子 / シアノバクテリア / 環状ペプチド / ラン藻 / Microcystis / 肝毒素 / アオコ |
Research Abstract |
昨年度ミクロシスチン毒素はリボゾーム非依存的に、multienzyme complexにより合成される事を明らかにし、毒素遺伝子のクローン化に成功した。本年度はミクロシスチン合成遺伝子を特異的に検出するためのPCR法およびプローブ法をキット化するため、全遺伝子のクローン化を行った。これまでに約45kbをシークエンスした結果、ミクロシスチン合成遺伝子群を構成する6個のオープンリーディングフレーム(ORF)を見出し、さらに少なくとも1つ以上のORFの存在が予想された。遺伝子構成は同方向に転写される3つのORFは5つのアミノ酸活性化ドメインを有する。プライマー伸長法によりこの遺伝子は3つの転写開始点を有し、光応答性に発現することが示された。さらに逆方向に転写される3つのORFが見出された。最初のORFはポリケチド合成遺伝子、2番目はポリケチド合成遺伝子とペプチド合成酵素遺伝子モチーフを有するORF、3番目のORFはラセマーゼ遺伝子であった。この様な特徴的な遺伝子構成はミクロシスチンで初めて見出された。このポリケチド遺伝子がミクロシスチン合成遺伝子であることは遺伝子破壊実験により確かめられた。本遺伝子の特徴的な塩基配列領域のPCR増幅および各ORF由来のDNA断片によるハイブリ実験を行った結果、ミクロシスチン生産株間ではPCR増幅した塩基配列の保存性は95%以上であり、また全てのORF由来の断片がゲノムDNAにハイブリダイズした。さらにミクロシスチン非生産株は二つのグループに分けられた。一つのグループはミクロシスチン合成遺伝子オペロンを全くもたない。もう一つのグループはPCR増幅及びハイブリダイズ実験からミクロシスチン合成遺伝子を有するグループである。本結果から富栄養化した湖沼に発生する僅かなアオコからも遺伝子的にミクロシスチン生産を予測することが可能である事が示された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] J.Shibato et al.: "Specific recognition of the cyanobacterial psbA promoter by RNA polymerases containing principal sigma factors." Biochim.Biophys.Acta.1442. 296-303 (1998)
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[Publications] G.K.Agrawal et al.: "Light-dependent and rhythmic psbA transcripts in homologous/heterologous cyanobacterial cells." Biochem.Biophys.Res.Comm.255. 47-53 (1999)
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[Publications] M.Asayama et al.: "An intrinsic DNA curvature found in the cyanobacterium Microcystis aeruginosa K-81 affects the promoter activity of rpoD1 encoding a principal sigma factor." J.Biochem.,. 125. 460-468 (1999)