1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08558058
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Research Institution | OKAYAMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
小野 芳朗 岡山大学, 環境理工学部, 助教授 (50152541)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宗宮 功 京都大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60025947)
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Keywords | ウムテスト / フロー式反応 / バクテリアアッセイ |
Research Abstract |
本研究は、環境変異原研究において試験研究機関において簡単にかつ迅速に変異原性を測定できる方法の開発を試みた。そして液体培養による試験法umu testを行う際に生じる時間的誤差や人為的誤差を解消し、常時簡単に環境水域の毒性を把握できるようにするためにフロー式の自動検出装置を構築し、簡易化と、試験の汎用化およびデータの蓄積へ寄与することを目的とした。第一に自動検出装置の構築を試みた。umu testの各手順について自動化のための実験条件を検討したのち、マニフォールドを構成して自動検出装置を構築した。また吸光光度計制御のためのプログラムの作成及びデータの解析方法の検討を行った。 I.反応時間を短縮し試験法の迅速化を図るには、36℃が適している。 II.クロロホルム無添加条件下でのSDS溶液濃度は1.0(mg/L)が最適濃度である。 III.試験添加に用いる各チューブの径を検討し装置全体が滞りなく流れるようにマニフォールドを構成した。 IV.生物反応時間は1.5時間とした。 V.吸光光度計の制御にはVisual Basicのプログラムを用いることとした。 VI.データ解析方法の検討を行った。OD_<600>は移動平均をとった後極端な値を除いて平均値をとり、OD_<420>は極端な値を除いたデータの最高値をとることとした。OD_<550>はSDS溶液濃度に影響されることが示されたため、実験結果からOD_<600>から算出する計算式を求めた。 第二に構築した自動検出装置の評価を行った。変異原物質を用いて測定を行い、装置の適用性の考察と手分析との精度の比較を行った。 I.AF-2、4-NQOについてDose-responseが得られ、-S9条件において自動検出装置の適用可能性が示された。手分析よりも32〜60%高い感度を示した。 II.変異原物質である2-AAについてDose-responseが得られ+S9条件における自動検出装置の適用可能性が示された。+S9条件においては、手分析と同等の感度を持つことが示された。 III.精度の比較を行ったところ、自動検出装置による測定結果は変動係数(%)が5.47〜12.09であり、手分析と比較して小さい値であった。
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Research Products
(2 results)