1998 Fiscal Year Annual Research Report
石油・石炭系炭化水素類により汚染された土壌の新浄化方法の開発に関する研究
Project/Area Number |
08558065
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
寺島 泰 京都大学, 工学研究科, 教授 (50019717)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三宅 酉作 オルガノ(株), 地球環境部, 部長(研究職)
越川 博元 京都大学, 工学研究科, 助手 (70273480)
清水 芳久 京都大学, 工学研究科, 助教授 (20226260)
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Keywords | 白色腐朽菌 / Phanerochate chrysosporium / 土壌・地下水汚染 / A重油 / リグニン分解酵素 / 汚染土壌 / 廃水処理 |
Research Abstract |
本研究では大規模な土壌・地下水汚染を起こしている石油系油分の一種であるA重油を例として、白色腐朽菌Phanerochate chrysosporiumによるA重油の水系・土壌系における分解実験をおこない、前年度では本菌によるA重油の分解が確認され、これはリグニン分解酵素(LiP・-MnP)の働きによるものと推定された。そこでこのリグニン分解酵素の活性発現条件について検討をおこない、次の結果を得た。 1. リグニン分解酵素のうち、LiPは培地中の炭素源が消費された後に発現していた。MnPでは炭素源または窒素源のいずれかが消費された後に発現していた。 2. これらの酵素の発現には栄養制限条件以外の因子も関与していた。 3. 炭素制限条件下ではLiPの発現はVeratryl Alcoholの添加により、大きく促進された。このVeratryl Alcoholは二次代謝産物である。 4. LiPの発現については界面活性剤Tween80の添加によって、発現が促進された。 5. 酸素のフラッシュによるリグニン分解酵素の大きな発現促進効果は認められなかった。 6. 適量のグルコースの添加により、リグニン分解酵素が発現する期間を延長できた。 7. 白色腐朽菌が窒素源として利用できるものはアミノ酸、硝酸塩、アンモニア性窒素があった。リグニン分解酵素の発現の点からは、アンモニア性窒素がもつとも好ましい結果が得られた。
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