1997 Fiscal Year Annual Research Report
トランスジェニック海産無脊椎動物作成へ向けての細胞培養法と発現ベクターの開発
Project/Area Number |
08558080
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
嶋田 拓 広島大学, 理学部, 教授 (70011559)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
町井 昭 (株)山勝真珠養殖研究室, 顧問研究員
小林 敬典 水産庁養殖研究所, 研究員
和田 克彦 水産庁養殖研究所, 部長
中坪 敬子 広島大学, 理学部, 助手 (40192760)
赤坂 甲治 広島大学, 理学部, 助教授 (60150968)
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Keywords | ウニ / アコヤガイ / 遺伝子導入 / 発現ベクター / 細胞培養 / 遺伝子組換え |
Research Abstract |
バフンウニのアリールスルファターゼ(Ars)遺伝子のプロモーター領域(174bp〜-186)の22bp配列が発生時期特異的に開始された転写を増強・維持する働きを持つことは前年度明らかにしたが、この配列に含まれるモチーフがSox様転写因子の認識配列であることがわかった。このモチーフを欠失させるとプロモーター活性は著しく低下し、ゲルシフトアッセイの結果はこのモチーフに配列特異的に結合する因子が、Ars遺伝子の転写が始まる孵化胞胚の核に存在することを示した。したがって、Sox蛋白質がArs遺伝子の転写調節に働くと考えられる。米国産ウニ(S.purpuratus)からクローン化されたSpSox cDNAを用いてバフンウニSox(HpSox)cDNAのクローン化を行っている。プロモーター領域にあるdorsal様モチーフの欠失もプロモーター活性を低下させた。ゲルシフトアッセイによりこのモチーフに結合する蛋白質も検出された。HpOtx_LがArs遺伝子のエンハンサー因子であると考えられるが、HpOtxLが実際にエンハンサー因子として働くことを酵母のGal4-UAS系を用いたtransactivation実験で確認した。このほか、バフンウニのEts(HpEts)が一次間充織細胞の分化に、HpOtxとHox8(HpHox8)が反口側外胚葉の分化に、およびLim1(HpLim1)が口側外胚葉の分化に関わることを強制発現実験で示した。(嶋田、赤坂、中坪) アコヤガイの外套膜からディスパーゼ処理で解離した細胞の培養を行っているが、細胞増殖を起こさせる試みは成功しなかった。パーティクルガンによる外套膜細胞への遺伝子導入方をほぼ確立した。(和田、小林) バフンウニのプルテウス幼生からディスパーゼを用いて解離した細胞を、カナマイシン、エリスロマイシンおよびゲンタマイシン存在下で培養した。ミズカビ類や原生生物による汚染を防ぐことには成功していないが、ミズカビが発生しない場合は細胞増殖が僅かに認められた。(町井)
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[Publications] N.Sakamoto: "Two isoforms of orthodenticle-related proteins (HpOtx)bind to the enhancer element of sea urchin arylsulfatase gene." Developmental Biology. 181. 284-295 (1997)
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[Publications] Koji Akasaka: "Oral-aboral ectoderm differentiation of the sea urchin embryos is disrupted in response to calcium ionophore." Development Growth and Differentiation. 39. 373-379 (1997)
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[Publications] Junji Morokuma: "A cis-regulatory element within the 5′ flanking region of arylsulfatase gene of sea urchin,Hemicentrotus pulcherrimus." Development Growth and Differentiation. 39. 469-476 (1997)
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[Publications] Daisuke Kurokawa: "Cloning of cyclin E cDNA of the sea urchin,-Hemicentrotus pulcherrimus." Zoological Science. 14. 791-794 (1997)
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[Publications] K.Mitsunaga-Nakatsubo: "Arylsulfatase exists as non-enzymatic cell surface protein in sea urchin embryos." Journal of Experimental Zoology. 280. 220-230 (1998)
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[Publications] T.Kiyama: "Structure and function of a sea urchin orthodenticle-related HpOtx gene." Developmenttal Biology. 193. 139-145 (1998)