1996 Fiscal Year Annual Research Report
培養神経回路網での学習系の確立と,その情報伝達効率変化の可視化システムの開発
Project/Area Number |
08558081
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Section | 試験 |
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
伊藤 悦朗 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (80203131)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
講内 毅 浜松ホトニクス株式会社, システム事業部, 研究開発員
榊原 学 東海大学, 開発工学部, 教授 (10135379)
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Keywords | 培養神経細胞 / 微細構造 / モノアラガイ / 中枢神経系 / 膜電位光学測定 / 単一細胞 / フォトダイオードアレイ |
Research Abstract |
培養神経回路網での学習系の確立を目指して,今年度はモノアラガイの同定神経細胞の初代培養を試みた。モノアラガイは,これまで学習・記憶の機構解明のために多くの知見を与えてくれている。そして我々の研究からは,モノアラガイの個体は味覚嫌悪学習を容易に習得すること,そしてその学習に関ると考えられる神経細胞が多く同定されて来ており,本研究には好都合の実験動物である。今年度,我々はこの同定細胞を単離して初代培養することに成功し,人工的なネットワーク作製の第一歩を踏み出した。一方,そのネットワーク内の単一神経細胞間での情報伝達効率の変化を,膜電位伝播パターンの変化として2次元光学的に測定する装置の開発にも取り組み始めた。その装置の検出部分には,浜松ホトニクス社製のフォトダイオードアレイシステム(ARGSU50/PDA)を用いることにした。フォトダイオードアレイの検出能力は,倫理上単一神経細胞からのシグナルを十分に検出できることが予想されており,かつその時間分解能はミリ秒と非常高い。そこでまずは,培養細胞ではなく神経節まるごとを膜電位感受性色素で染色し,それにおける検出限界を求めてみた。その結果,神経束を吸引電極で刺激すると,神経節内の単一神経細胞で膜電位応答を十分検出する事ができた。従って,フォトダイオードアレイの培養神経回路網への応用が次年度以降可能であることが示され,学習による入力に対する応答が得られるものと確信するに至った。
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