1997 Fiscal Year Annual Research Report
ゲル包括酵素と多孔質薄膜担体を用いたバイオケモメカニカルバルブの作成
Project/Area Number |
08558092
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
国府田 悦男 筑波大学, 応用生物化学系, 教授 (40124648)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷 英郎 興和(株), 開発本部, 本部長
吉田 亮 筑波大学, 応用生物化学系, 講師 (80256495)
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Keywords | ゲル包括酵素 / グルコースオキシターゼ / ウレアーゼ / バイオケモメカニカルバルブ / 多孔質薄膜担体 / 液体透過が制御 |
Research Abstract |
本研究の目的は、多孔性担体のポアの中に酵素を含むゲルを充填し、外部から導入された基質分子(分子刺激)によりポア内のゲルを収縮(又は膨潤)させ、担体とゲルの間に微細間隙を形成させることにより、間隙を通る液体の透過が制御できる複合材料系を構築しようとする試みである。この様な材料系は、バイオケモメカニカルシステムの発展であり、生物化学的変化に応答して物質透過が制御できる『バイオケモメカニカルバルブ』と考えることができる。そこで、本年度は、以下の3課題について検討した。(1)バイオケモメカニカルバルブの調製:NIPAAm、AA、MBAAmを含むモノマー水溶液にGODを溶解し、その水溶液中に多孔質薄膜担体を浸漬して0℃で重合を行ない、担体の細孔内にGOD包括ゲルを形成させることが出来た。(2)作成条件の最適化:平成8年度に検討した10種類のバイオケモメカニカルバルブから2種類を選び、種々の圧力下で2〜3日間透水実験を行ない、作成条件の最適条件を決定した。(3)多孔性バルクゲルの調製と膨潤・収縮応答の検討:GODとウレアーゼを含むゲル微粒子(NIPAAm/AA/MBAAm系で粒子径が約200nm)を調製し、その応答速度が極めて速いことを明らかにし、上記バイオケモメカニカルバルブの作動機構を議論した。さらに、この微粒子を多孔高分子薄膜のポア内に充填したバイオケモメカニカルバルブについても検討し、液体の透過が制御に有望であることを明らかにした。
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[Publications] E.Kokufuta, H.Suzuki, D.Sakamoto: "On the Local Binding of Ionic Surfactants to Poly(N-isopropylacrylamide) Gels" Langmuir. 13・10. 2627-2632 (1997)
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[Publications] E.Kokufuta, Y.Aman: "A Biocbemo-Mechanical System Consisting of Polymer Gels with Immobilized Glucose Dehydrogenase" Polym.Gels & Networks. 5・4. 170-182 (1997)