1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08558102
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
青柳 隆夫 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (40277132)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野崎 幹弘 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (70086586)
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Keywords | 温度応答性高分子 / ポリイソプロピルアクリルアミド / ハイドロゲル / 複合材料 / ポリエチレングリコール / シリコーン |
Research Abstract |
温度応答性高分子であるポリイソプロピルアクリルアミド(PIPAAm)からなるハイドロゲルは相転移温度をはさんで低温から高温に変化させると、表面にスキン層を形成するために、ゆっくりと収縮する。本年度はスキン層の構造を制御すること目的に、(1)ポリエチレングリコール(PEG)マクロモノマーをグラフト鎖として有するゲルの調製と収縮挙動の詳細な検討と、(2)これら知見に基づいたシリコーン膜と温度応答性ゲルの複合材料を調製およびこの材料の屈曲挙動の検討を行った。シリコーン膜の片面にPEGをグラフトさせたPIPAAmゲルを前年報告した手法により固定化した。この材料を4mmX40mmの短冊状に切断し、この複合材料の温度に応答した屈曲変位をビデオカメラで撮影した。10℃で2日間、純水中でゲルを平衡膨潤させるとゲルは温度に応答して膨潤するのに対し、シリコーンは膨潤しないために、外側はゲル、内側はシリコーンとなるようなC字型の屈曲挙動を示した。次に、10℃で平衡膨潤させたゲルを50℃で収縮させると、外側のゲル層は温度変化に応答して、収縮するのに対してシリコーン膜は収縮しないため、ゲルは外側がシリコーン膜、内側がゲル層の、逆のC字型に屈曲した。しかしながらゲルの収縮に伴なう屈曲変化は非常にゆっくりしたものであり、完全に逆C字型になるのに数時間要した。 さらに、二つのC字型に屈曲したゲルを、シリコーン膜側を内側にしてその両端同士を固定し、ゲル層が外側、シリコーン膜が内側のO字型のデバイスを作成した。このデバイスは相転移温度よりも低温側でゲル層が膨潤するためにO字型となり、高温側でゲルが収縮することによりそれぞれの片が密着したI字型となった。すなわち、温度変化に応答した開閉様の挙動が可能となったわけである。今後、ゲル全体を水中ではなく、空気中で駆動させる手法を検討する。
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