1997 Fiscal Year Annual Research Report
新方式のγ線入射位置敏感検出器を用いた陽電子削減2光子2次元角相関装置の開発
Project/Area Number |
08559003
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
兵頭 俊夫 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (90012484)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村松 新一 浜松ホトニクス(株), 電子管第1事業部, 主任部員(研究職)
斎藤 晴雄 東京大学, 大学院総合文化研究科, 助手 (60235059)
長嶋 泰之 東京大学, 大学院総合文化研究科, 助手 (60198322)
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Keywords | 陽電子消滅 / 2光子2次元角相関装置 / γ線入射位置検出器 / メタルパッケージ位置敏感光電子増倍管 / BGOシンチレーター |
Research Abstract |
陽電子が物質中の電子と対消滅する時に放出される2本のγ線の角度相関を測定することにより、物質中の電子・陽電子対の運動量分布を知る方法が、陽電子消滅2光子角相関法である。この手法の測定装置の性能は、γ線入射位置敏感検出器によって決まるため、検出効率、位置分解能、時間分解能の高い検出器の開発が望まれている。そこで、本研究課題において、我々は、柱状のBGOシンチレーターと、多数のメタルパッケージ位置敏感光電子増倍管を用いた、新方式のγ線入射位置敏感検出器の開発を行っている。 今年度は、昨年度の成果を元に、大型化した検出器の製作に着手したが、大型化に伴う様々な諸問題を解決する必要が生じた。まず、光電子増倍管の出力を電圧に変換するアンプについてである。大型化により、カウントレートが上がるため、位置分解能に影響しない範囲でできるだけ高速にする必要が生じた。アンプの時定数を短くして位置分解能を調べた結果、0.2マイクロ秒のアンプを使用可能であることがわかり、十分な速度が実現できた。 次に、ライトガイドに用いるガラスの材質の選定を行った。プロトタイプの検出器による予備実験においては、高屈折率で、薄い方が位置分解能がよくなることが分かった。しかし、大型化のためには、高強度も必要となる。両方を満たすガラスを探索し、ランタン系板ガラスを使用することにした。 現在、BGOシンチレーターを2526本、位置敏感光電子増倍管を36本使用した、γ線入射位置敏感検出器を製作中である。
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