1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08559009
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Section | 試験 |
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
郷 通子 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70037290)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北條 裕信 大阪市立大学, 工学部, 講師 (00209214)
由良 敬 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助手 (50252226)
野口 俊之 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (90172775)
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Keywords | 蛋白質可溶化 / 逆転写酵素 / アミノ酸置換 / ドメイン融合 / タンパク質進化 |
Research Abstract |
生命現象の基本となる機能には、蛋白質の複合体や蛋白質とRNAとの複合体が重要な役割を果たしてる。巨大な蛋白質や複合蛋白質の機能構造を知るために、(1)蛋白質の部分構造を安定に切り出す手法と、(2)その部分構造を可溶化させる方法が要求されており、これらの手法の確立が必要である。安定な構造を持つ部分構造が可溶化できれば、NMRやX線結晶解析を用いて、蛋白質部分の立体構造を決定することができるだけでなく、蛋白質の部分構造の機能、さらに蛋白質全体の機能をアサインすることができる。巨大な蛋白質や複合した蛋白質の機能構造を知るために、蛋白質の部分構造を切り出して可溶化させるためのデザイン手法を開発すること、さらにデザインされた部分構造が可溶性であり安定な構造を形成することを検証することを目的に研究を行った。本年度はRNAポリメラーゼ中に存在するバルナーゼ様ドメインの可溶化をデザインする予定であったが、予定を変更して、まず自然界で実際に行われたドメイン融合を解析し、その逆過程として可溶化手法を学ぶことからスタートした。生物進化の過程では、ドメインやモジュールの融合がしばしば起きた。逆転写酵素はRNaseHドメインと他のドメインとが融合した形である。逆転写酵素の立体構造と単独ドメイン型であるRNaseHIの立体構造が決定されている。融合型RNaseHドメインとの相同グループと単独型RNaseHIドメインとの相同グループのそれぞれにおいて、アミノ酸置換パターンをしらべ、両者の比較を行って、ドメイン接触部分での適応的アミノ酸置換の種類と位置を推定できた。その結果、ドメイン接触部位で最低14個の適応的なアミノ酸置換が必要であったことか示された。これはそのまま、逆転写酵素からRNaseHドメインを切り離して、可溶化するためのデザイン手法を与えたことになった。
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Research Products
(1 results)