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1996 Fiscal Year Annual Research Report

技術哲学における現象学的展開の可能性と必要性

Research Project

Project/Area Number 08610006
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

村田 純一  東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (40134407)

Keywords技術哲学 / 技術決定論 / 社会構成主義 / 現象学 / 解釈学 / 技術の政治学
Research Abstract

本年度は、これまでの技術論の系譜を主に「技術決定論」と「社会構成主義」との対立という構図のなかで捉えようと試みた。19世紀以来とくに20世紀になると技術がわれわれの生活に対して顕著な影響をもつようになり、そこから技術が社会のあり方を決定するという見方が提出されるようになった。確かに現代では技術を一定の目的を実現するための手段として考える見方は不十分である。しかしその一つの理由は技術的製品が利用されるには既に多くの技術的社会的ネットワークが成立していなければならないことにある。例えば、自動車の使用は石油生産・供給システム、道路網の建設維持システム、自動車の販売整備システムなどを前提としており、実際、現代ではこのシステムが既に生活の環境となっている。それゆえ生活のあり方を決定しているのは技術と社会が結び付いたネットワークと考えるべきである。他方、最近の技術論で盛んになりつつある社会構成主義も、決して技術と独立の社会が技術を構成するというのではなく、むしろ社会-技術ネットワークのなかで技術的発明や生産がなされる点を強調している。こうしてみると、技術決定論と社会構成主義は必ずしも対立する見方なのではなく、同じ一つの事態を異なった視点から見たものと考えることができる。こうして技術と社会に関する「二重側面説」が可能となる。この見方に基づいて、本研究者は、技術を実体化する誤りを避け、具体的な経験のなかでどのように技術的製品が理解されているかを探究する技術の「現象学」ならびに技術製品に沈殿した意味を解明する「解釈学」を提起した。技術社会のネットワークはいつも一定の権力関係のなかで実現するため、この解釈学のなかでは技術的製品がもつ政治的役割を暴露することが重要な課題となる。

  • Research Products

    (2 results)

All Other

All Publications (2 results)

  • [Publications] MURATA,JUNICHI: "Technology and the Life-Worlds" 5TH JAPANESE/AMERICN PHENOMENOLOGY CONFERENCE 1996,Proceedings II. 187-207 (1996)

  • [Publications] MURATA,JUNICHI: "Consciousness and the mind-body problem" Cognition,Computation,and Consciouners(Oxford University Press). 31-44 (1997)

URL: 

Published: 1999-03-08   Modified: 2016-04-21  

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