1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08610027
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Musashino University |
Principal Investigator |
田中 教照 武蔵野女子大学, 文学部, 教授 (20105935)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北岡 和彦 武蔵野女子大学, 文学部, 助教授 (10123192)
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Keywords | 身体 / スッタニパータ / 原始仏典 |
Research Abstract |
湯浅泰雄は、『実践を重視する仏教は身体と心の関係を「どう成るのか」「どう変わるのか」という視点で考察している。これは西洋の「どのようであるか」の考察と著しく異なっている。修行は身体運動を手段として全身の内部に感覚的な習慣づけをし、意のはたらきを円滑にしていくことを目的としている。』と、その特徴を明らかにしている。 このような視点から、原始仏教文献についてその身体の扱いを検討してみると、修行が呼吸との関係で説かれていること(入出息念)のなかに、運動神経と自律神経の結合を促す大きな意義が認められた。自律神経は非想非々想処あるいは無想定ということができ、そこに共時的な人間存在の基礎を見ていくと身体は宇宙的な身体論として大きな可能性を持っていることが分かった。(田中) 現代における身体の問題を追求する一環として、女子学生を対象とし青年期の女子の身体に対する意識・態度について、その実態の一端を明らかにするために、身体の魅力、満足度の観点から調査を実施した。 その結果、以下のことが見いだされた。 1.自分自身および異性に対する魅力を考える際の身体に対する意識の程度は、従来の知見よりも幾分意識の程度が低くなっている傾向がうかがえた。またその傾向は、異性に対して顕著であった。 2.自己の身体特性に対する満足度は、幾分否定的な感情を持っていることがうかがえた。 3.身体への意識・態度と自己概念との間に有意な関連性がうかがえた。 4.中学・高校時代共に運動部の経験がある学生は、その経験のない学生よりも自己概念尺度得点において高いことが見いだされ、運動経験と自己概念との間に関連性があることがうかがえた。(北岡)
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Research Products
(1 results)