1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08610081
|
Research Institution | Shiga Univ. |
Principal Investigator |
井深 信男 滋賀大学, 教育学部, 教授 (70110757)
|
Keywords | 発達 / 精巣 / 体重 / 光周環境 / ストレス / シリアンハムスター / 季節性 |
Research Abstract |
これまでの私たちの一連の研究から、短日下で餌や水を剥奪すると、同じ割合であっても、規則的な場合よりも剥奪を予測できない時に、体重や精巣発達は大きく抑制されることが明らかにされた。その理由として、剥奪を予測できないとき、これが心理的ストレスとして動物に働き、体重と精巣の発達を阻害すると考えた。 本年度はこれらの成果を踏まえ、2匹の同性との同居が、12週の実験期間の30%の日に、ランダムに水を剥奪することによるストレスを緩和出来るか、の仮説を検討した。 すべてのシリアンハムスターを長日で3週維持した後、短日に移行し、、1)SC群(単独居住で水剥奪なし)、2)SW群(単独居住で、水剥体あり)、3)PC群(2匹同居で、水剥奪なし)、4)PW群(2匹同居で、水剥奪あり)の条件で12週維持した。 結果:12週の体重は、SW群で最も激しく減少し、次いでPW群、PC群で減少が最も少なかった。両精巣の重両の結果をみると、3群間に有意差が認められ、SW群で最小、PC群で最大、PW群がその間であった。 これらの結果から、予測できない水剥奪は動物にストレスに動き、体重と精巣発達を抑制するが、同居はこのストレスを緩和し、体重と精巣発達に促進的に働き、萎縮の程度を和らげると言える。
|
-
[Publications] 井深 信男: "Daily torpor:もう一つの眠り" LISA,特集 眠りのバイオロージ:われわれはなぜ眠るか. 特集号. 93-95 (1998)
-
[Publications] USUI & IBUKA: "Photoperiodic responsiveness in the Mongolian gerbils" The Japanese Journal of Animal Psychology. 48(2). 177-181 (1998)