1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08610099
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kobe Design University |
Principal Investigator |
三浦 佳世 神戸芸術工科大学, 芸術工学部, 助教授 (60239176)
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Keywords | 絵画 / 時間印象(速度感) / 時間印象(過去・現在・未来) / 空間周波数(ぶれ、ぼけ、モザイク) / 色彩 / 時間表現(過去・現在・未来) / サークルテスト / 構図(方向性) |
Research Abstract |
静止した1枚の絵画の中に時間印象を感じることがある。先の研究で、速度感には空間周波数、時制(過去・現在・未来)の印象には色彩の関わることが示唆されたので、本研究では先行実験において異なる速度印象の指摘された4作品および異なる時制印象の指摘された5作品を刺激に、空間周波数あるいは色彩を系統的に変化させ、それに伴う時間印象の変化のあり方と大きさとを測定した。なお、速度印象に関しては、高空間周波数成分の低減によるぼけに系列のみならず、コントラストの低下を配慮して異なる分割サイズによるモザイク系列、ぼけの方向性(全体、対象、背景)を考慮してぶれの系列を刺激に加えた。色彩に関しては、色と時制印象の4つの組み合わせによる5作品×2方向の刺激を作成し、印象の変化を調べた。 その結果、高空間周波数成分が減少すると速度印象も低下するが、ぼけに方向性がある場合には逆に速度感の増すことが示された。また、原画が赤系へ移行すると未来印象が低下し、過去印象が増加する一方、青系に移行すると過去印象の低下することが示された。しかし、赤系で現代的あるいは未来的な印象を与えた作品では青系への移行により、むしろ未来的な印象の減少する場合もあった。 さらに、鑑賞時に時間印象を喚起する色彩のあり方と表現時に用いられる色彩の選択とを比較するため、サークルテストとアンケート調査を行ったところ、表現時と鑑賞時のみならず、表現時に限っても、自己、歴史、宇宙レベルでの過去・現在・未来をそれぞれ表現するのに用いられる色彩は異なり、しかも、自己の過去・現在・未来を表わすとされるサークルテストで使用された色彩とアンケート調査で自己の表現に用いたいと指摘された色彩とも必ずしも一致しないことが示された。
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