1997 Fiscal Year Annual Research Report
自閉性障害児に対するおとなのかかわる能力についての臨床分析的研究
Project/Area Number |
08610109
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
西村 章次 埼玉大学, 教育学部, 教授 (00008731)
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Keywords | 自閉性障害 / 自閉症 / 二卵性双生児 / 相互交渉 / かかわり方まモデル / 親の支援 / 発達過程 / 発達と障害に視点を当てた発達相談 |
Research Abstract |
1.本年度(4月〜3月)、本研究代表者が直接子どもとかかわって、自閉性障害(自閉症を指す)児8名12回、学習障害児1名1回、注意欠陥/多動性障害児2名2回、ダウン症児3名3回、知的障害児5名5回、痙直性麻痺と知的障害を併せもち自閉症的傾向も伺われた児1名6回、ことばの問題をもつ児2名2回、知的障害が疑われた児5名5回、計27名の発達相談を36回行った。すべて8mmで撮影、VHSにコピーし、かかわり方のモデルとして親に発送した。 2.うち、自閉性障害が疑われる二卵性双生児(1993年2月21日生)については、3回(昨年度からあわせると計6回)行い、1歳7カ月、4歳7カ月時の両児の家庭での8mm記録をコピーした。 (1)発達と障害の拮抗関係を見い出だした。(2)両児の関係が対象に向かい合う関係から、並行的に向かう関係へと変化した。(3)ビデオスキャナーとMOによりコンピーターに取り込み、必要箇所をプリントし、発達経過を画像化した。(4)両児のうちち1名にしぼり、2回にわたる大学院生3名と相互交渉を、視線、発声等で分析し、かかわる能力の違いを考察した。 3.発達障害が疑われた児5名中、自閉的な傾向を示す2児の保育園での行動を8mm撮影し、集団内でのおとなとの1対1の関係が本児等の活動の活性に効果的であるという傾向を見い出だした。 4.本研究初年度(8年度)に2台のカメラによって観察した自閉性障害児とおとなの視線を追ったデータを再検討した。また、因子分析により検討する対象となるデータを特定した。 5.XV-AL300を使用し、発達と障害に視点を当てた発達相談における自閉性障害児を中心に、児らと本研究代表者とのかかわりを発達の順序を追って編集しているが、1998年の日本特殊教育学会第36回大会「教育講演」で報告する。
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