1998 Fiscal Year Annual Research Report
環境ボランティアによるネットワーキング・プロセスの分析
Project/Area Number |
08610117
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Research Institution | NAGOYA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
広瀬 幸雄 名古屋大学, 文学部, 教授 (10117921)
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Keywords | 環境ボランティア / ネットワーキング / リサイクリング / 社会的ジレンマ |
Research Abstract |
研究目的は,環境ボランティアのネットワーキング・プロセスを分析し,あわせてネットワークの機能を解明することであった.主な研究成果は以下のとおりである. 1. 環境ボランティアによる普及プロセスとの比較研究として,行政主導によって資源リサイクルを導入した碧南市の事例を取り上げ,リサイクル制度にたいする住民評価についての調査を実施したところ,住民は,制度導入前の行政による説明会での情報にもとづいて,制度に伴う共益に関する態度を形成し,導入後のコミットメントによって制度に伴う私益の側面の態度を変容するという調査結果が得られた. 2. 環境保全の多様な活動を全国的なネットワークを通じておこなっているエコリーグをとりあげ,その団体メンバーに対する調査を実施した.エコリーグの活動を継続しようとする意図を規定する主要な要因は,ネットワークへの連帯感(帰属意識)であり,活動に伴う負担や,コストは活動への継続意図とは関連が低いことが明らかとなった. 3. 環境ボランティアが地域で資源リサイクルを普及するためにとったネットワーキングの効果を検討するための調査を実施した.ボランティアによるネットワークを通じての対人的な働きかけが,地域住民がリサイクルに参加するときの主要な規定囚であることが明らかになった.さらに,マスメディアや行政による広報メディアが環境やごみ問題についての情報提供によって地域住民の環境についての認知に影響をおよぼすのにたいし,ボランティアによるパーソナルなメディアはひとびとの資源リサイクルの行動意図に直接影響する機能をもつことも明らかとなった.
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 広瀬 幸雄: "環境ボランティアのアクションプログラム" 廃棄物学会誌. 8. 345-347 (1997)
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[Publications] 野波 寛・杉浦淳吉・大沼進・山川肇・広瀬幸雄: "資源リサイクル行動の意思決定における多様なメディアの役割" 心理学研究. 68. 264-271 (1997)
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[Publications] 杉浦淳吉・大沼進・野波 寛・広瀬幸雄: "環境ボランティアの活動が地域住民のリサイクルに関する認知行動に及ぼす効果" 社会心理学研究. 13. 143-151 (1998)
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[Publications] 杉浦淳吉・野波 寛・広瀬幸雄: "資源ゴミ分別制度への住民評価に及ぼす情報接触と分別行動の効果" 廃棄物学会誌. 10 印刷中. (1999)
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[Publications] 広瀬 幸雄: "シミュレーション世界の社会心理学" ナカニシヤ出版, 229 (1997)