1996 Fiscal Year Annual Research Report
不登校対策における教育者サイドと治療者サイドの相互理解と有効な連携の道を探る
Project/Area Number |
08610121
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
菅 佐和子 京都大学, 医療技術短期大学部, 助教授 (10131244)
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Keywords | 不登校 / 教師 / カウンセラ- / 連携 |
Research Abstract |
不登校児童・生徒に対する指導・援助に際して、学校現場の教師が、学外の相談・治療機関のカウンセラ-や精神科医に対してどのような気持ちを抱いてきたか率直に述べてもらうことを求めて、アンケート調査および面接調査を行い、その結果を整理し検討した。 1.アンケート調査は、全国の10都府県の現職教師・計688人(内訳:小学校237人・中学校304人・高等学校147人・男子314人・女性374人。20代 52人・30代 276人・40代 292人・50代 68人)を対象に、無記名で施行した。 質問項目は、10項目で、これまでの不登校への対応の経験、学外のカウンセラ-等との具体的な連携の有無、その際に感じたこと、連携を必要と考えているか否かについて、多肢選択式および自由記述式にて回答を求めた。 結果としては、不登校児童・生徒を指導・援助した経験の豊かな教師は、連携の経験も有していることが多いが、その際、それについて肯定的に感じているケースばかりではなく、不満足感を味わったケースも稀ならず存在していることが判明した。しかし、連携の必要性ということについては、圧倒的に多数の教師がそれを認めており、身近なところで、必要に応じてすみやかに相談できる相手を求めていることが示された。学校カウンセラ-の配置を求める声も少なからず存在した。 2.不登校への対応経験の豊かな教師20人に、匿名を条件に面接を行い、上記テーマに関して、個人的な体験を基づく意見を聴取した。それを通して、カウンセラ-等と教師との発想のちがい、カウンセラ-等の力量や姿勢が、連携を実りあるものにする上で重要であることなどが浮き彫りにされてきた。これらを踏まえて、カウンセラ-側への調査を行う予定である。
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