1998 Fiscal Year Annual Research Report
子どもの仲間関係と社会的スキルの変容過程に関する縦断的発達研究
Project/Area Number |
08610135
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
前田 健一 愛媛大学, 教育学部, 教授 (90101451)
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Keywords | 仲間関係 / 地位の持続性 / 社会的スキル / 縦断的研究 / 行動特徴の変化 |
Research Abstract |
平成10年度の研究は基本的には平成8年度と平成9年度の縦断的研究を継続発展させた。仲間関係の個人差として仲間集団内の社会的地位を識別分類し,人気児,拒否児,無視児,両論児および平均児の地位が時間経過に伴ってどの程度持続するのか,あるいはどの地位が最も持続しやすいのかを比較検討した。この研究の成果の一部は,「幼児のソシオメトリック地位の長期的持続と変動-稚園児から小学5年生までの5年間比較-」として愛媛大学教育学部紀要(教育科学,1999,印刷中)に掲載予定である(裏面参照)。 平成9年度に開始した幼稚園年少児から平成10年度の年中児にかけての縦断的研究では,ソシオメトリック測度,社会的行動特徴に関する仲間アセスメント測度および自由遊び場面の行動観察測度を収集し,年少児時点から年中児時点にわたる地位と社会的行動特徴の変化に対応関係があることを明らかにした。この研究の成果は,「幼児の仲間関係と行動特徴に関する縦断的研究」として愛媛大学教育学部紀要(教育科学,1998)に掲載している(裏面参照)。 小学校2年生および3年生を起点とする3年間にわたる縦断的研究では,児童の地位,社会的行動特徴に関する仲間アセスメント測度および孤独感測度を縦断的に収集し,2年間を経て拒否児の地位を持続する子どもは攻撃的行動特徴が持続し,孤独感も高くなることを明らかにした。また,地位の向上は攻撃性の低下や社交性の増加と対応し,地位の低下は攻撃性の増加と対応することを明らかにした。この研究の成果は,「子どもの孤独感と行動特徴の変化に関する縦断的研究-ソシオメトリック地位維持群と地位変動群の比較-」として日本教育心理学会の学会誌「教育心理学研究」(1998)に掲載している(裏面参照)。最後に,これらの研究成果を含め,5つの研究から成る平成8年度〜平成10年度の研究成果報告書を作成した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 前田健一: "幼児の仲間関係と行動特徴に関する縦断的研究" 愛媛大学教育学部紀要 第I部 教育科学. 第45巻 第1号. 81-100 (1998)
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[Publications] 前田健一: "子どもの孤独感と行動特徴の変化に関する縦断的研究-ソシオメトリック地位維持群と地位変動群の比較-" 教育心理学研究. 第46巻 第4号. 11-20 (1998)
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[Publications] 前田健一: "幼児のソシオメトリック地位の長期的持続と変動-幼稚園児から小学5年生までの5年間比較-" 愛媛大学教育学部紀要 第I部 教育科学. 第45巻 第2号印刷中. (1999)