1996 Fiscal Year Annual Research Report
養育行動とパーソナリティ特性との連関に関する日韓比較
Project/Area Number |
08610140
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Showa Women's University |
Principal Investigator |
岩脇 三良 昭和女子大学, 文学部, 教授 (70065142)
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Keywords | 比較文化 / 自尊感情 / 性度 / 養育行動 |
Research Abstract |
すでに比較文化的研究を通して、欧州と日本で得られた養育行動の3因子(保護、支持、拒否)に関して、日韓の大学生で比較された。日本の参加者は262名の大学生で、韓国の大学生は韓国の大学生と日本に留学している大学生からなり合計218名の参加者であった。質問紙は、英語版と日本語版に基づいて韓国語に翻訳され、back-translation法により検討された。しつけ尺度とともに、Rosenbergの自尊感情尺度とBemの性度尺度と父母役割尺度が併用された。日本の大学生は、韓国の大学生よりも自尊感情が低かった。しかし両国で、両性性の人は、自尊感情が高いことが示され、Bemの主張を東洋でも支持した。さらに、日韓両国で、男性の女性化が示唆された。韓国の男子は、日本の男子よりも過保護と支持を受け、男女ともに、韓国のほうが日本よりも母親の支持を受けていることが明らかになった。重回帰分析その他の分析により、日本では、両親のしつけ行動と自尊感情との関係はほとんどなかったが、韓国では、拒否と支持的態度が子どもの自尊感情と関わりがあることが示され、韓国のほうが「親子の心理的連帯感」が強いことが示唆された。以上が主要な結果であるが、この結果の速報は、韓国心理学会創立50周年記念国際学術会議で報告された。
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