1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08610177
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
小林 月子 岐阜大学, 教育学部, 助教授 (00004094)
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Keywords | 家族周期 / 農業生産組織 / 世代交替 |
Research Abstract |
本年度は次の三つの生産組織における世代交代の現状をつぶさに観察し、相互に比較することによって、それぞれの生産組織の直面している世代交代問題の特徴を明らかにした。 1)高棚営農組合(愛知県安城市)…従来の組合員以外の農家からも就労者を受入れ、組合の後継者として育成していく方針をとる生産組織 2)山船越水稲・養鶏組合(宮城県鹿島台町)…組合加入農家の家族内役割にしたがって組織の後継者が補充されるという原則が崩れつつある生産組織 3)大 機械化営農組合(岐阜県瑞浪市)…他産業に従事していた人達が中途退職してあらたに農業を始めるさいの受け皿として成立した生産組織 本年度は各生産組織について、予備調査と実態調査をおこなった。 1)予備調査…各々の調査対象地の社会・経済的構造にかんして基礎的な資料や情報を関係諸機関より入手した。 2)各組織における組合員の世代交代にかんする実態調査…各生産組織の成立から今日までの展開家庭を、組織を構成する各農家の家族周期の観点から調査した。 高棚営農組合における新たな世代交代の方法は、安城市における労働市場の展開と大いに関係している。ここでは、他産業に匹敵する職業として農業が若者に選択される可能性が示されている。他方、山船越水稲・養鶏組合では、世代交代が行き詰まり、水稲・養鶏両組合とも、現状では中高年層の就業場所となっている。
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