1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08610191
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
越井 郁朗 大阪府立大学, 総合科学部, 教授 (50039963)
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Keywords | 地方の活性化 / 地域振興 / まちづくり |
Research Abstract |
急激な都市化の流れの中で、地方の活性化・地域振興が現代の重要な課題となっている。ことに、ふるさと創造1億円事業を契機として、各地でのまちづくり、むらおこしなどの地域振興に関する活動が活発化している。また近年では、ウルグワイラウンド対策、農産物特に米の自由化対策をめぐって、農業振興、地方の活性化に向けての事業も増大している。 これらの地方の活性化、地域づくりに関する全国的な情報は、地域振興ライブラリーや、ふるさと情報センターなどの機関に大量に集積されている。これらの情報の示す特色は以下の点にある。 1.大量の全国的な情報の存在は、地方の活性化の必要性、重要性と活性化に取り組む地方の積極性を反映している。地域振興ライブラリーには、全国3、200余市町村の約3万件のプロジェクトが収録され、1市町村当り約10件のプロジェクトに参加している。また、ふるさと情報センターには2、000余市町村が加入し、約4万件のふるさと情報が登録され、1市町村当り20件の情報を提供している。 2.これまで、中央から情報を得るだけの受動的姿勢であった地方が、情報化社会、インターネット社会にふさわしく、能動的にふるさと情報・地方の情報を能動的発信する主体へと変化したことを示している。ふるさと産品の販売、アンテナショップの開設、イベントの開催などの都市住民への働きかけが、そうした傾向の強さを物語っている。 3.大量のそして多種多様の情報は、行政上の区分施策のテーマ毎に集められているので細分化されすぎで、地方の実態を必ずしも反映していない。地域社会は住民の包括的な生活の場としての生きられる共同体であり、またアイデンティの根源としての準拠される共同体であり、総合的な把握が必要である。
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