1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08610191
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
越井 郁朗 龍谷大学, 社会学部, 教授 (50039963)
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Keywords | 地方の活性化 / 地域振興 / まちづくり / 生きられる共同体 / 準拠する共同体 |
Research Abstract |
地方の活性化の動向は、社会状況・時代の流れとともに変化している。'60年代の高度経済成長期の前半までは、地方の過剰人口の解消が主要な課題であった。'70年代の高度成長期の後半以降は、一転して地方は過剰流出となり、高齢者対策とともに、コミュニティ機能の維持が課題となった。'80年代には、都市化の急激な進行と併行して、地方の復権が唱えられ、地方の活性化が重要課題とされて今日に到っている。'90年以降は、ふるさと創生一億円事業を契機として、ふるさとへの関心が高まり、各地で内発的なまちづくり、地域おこしなどの地域振興活動が活発になっている。各地の活性化の動向は多様であるが、その特徴は以下の諸点に要約される。 1. 各地域で、自然・文化・歴史・産業・人などの地域資源の創意工夫による積極的な活用による活性化が進行している。 2. 地域振興のための諸事業が、行政側を中心に大量に企画され、政府の補助事業として実施される事例が多いが、その中でも過疎地域の方がより積極的に取り組んでいる例が多い。 3. 地域振興事業を契機として、住民のふるさとへの関心、意識が高まり、まちづくりに自発的に参画し行動する住民が増加した。 4. 一部地域内部だけの活性化は限界があり、巾広く柔軟な地域間の交流連携が必要で、都市との交流・地方からの情報発信などが活発化している。 5. 自然環境問題への関心の高まり、高齢化に伴う福祉によるまちづくりの動向が、都市との交流にも反映している。 6. 住民の日常生活の場である生きられる共同体と、心のより所としての準拠する共同体の両側面の有機的統合が、地域社会の今後の重要課題である。
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