1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08610229
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Research Institution | Yamanashi Women's Junior College |
Principal Investigator |
大西 康雄 山梨県立女子短期大学, 生活科学科, 助教授 (40223896)
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Keywords | 社会ネットワーク分析 / 地域権力構造 / 認知社会ネットワーク |
Research Abstract |
本プロジェクトでは、地域権力構造の分析において、地域の人々の組織のあり方-とりわけ相互にどのように組織化されていると認識しており、その認識状況が地域の政治権力構造のあり方と関りを持つのか、あるいはその認識に関するデータを用いてどのように地域権力構造の一断面を明らかにできるかを探ることを狙いとしている。このために、認知社会ネットワーク分析という、新たなネットワーク分析の手法を採用し、従来の社会ネットワークデータを用いた分析との比較において検討した。実施した調査は、山梨県増穂町地域において、地域の政治的企業家を対象に、対象者相互がどのような相手とつきあっていると、対象者自身が認識しているかを、ゴルフ場開発という地域の争点に関する意見ならびに地域の将来の開発動向に関する社会意識と併せて、質問紙を用いてデータ収集を行った。 このデータを用いて、認知社会ネットワークデータを用いた分析と従来から適用されている社会ネットワークデータを用いた分析との比較対照を行うため、従来データによる各サンプル間の構造同値性係数行列を求め、それを主成分分析に掛けたもの、もう1つは、認知社会ネットワークデータから、2次元の、各サンプル間関係が各回答者から認知された頻度マトリックスを作成し、それを主成分分析にかけた結果を求め、その両者を比較することで地域権力構造分析における認知社会ネットワークの意味を探った。 その結果、従来の社会ネットワークデータを使った結果が比較的状況的な政治状況のあぶり出しに有効なのに対して、認知社会ネットワークデータは、政治状況に潜む基底的な構造との連関があることが明らかになった。
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