1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08610230
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Research Institution | Sapporo Gakuin University |
Principal Investigator |
湯本 誠 札幌学院大学, 人文学部, 助教授 (00240169)
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Keywords | 自動車産業 / 日本的経営 / トヨティズム / ライン労働 / 企業社会 / 熟練 |
Research Abstract |
1. 3年間の研究計画は,(1)トヨティズム(トヨタシステム)の特質に関する研究,(2)欧米自動車メーカーにおけるトヨティズムの導入状況,およびそれが労働者の職場生活等に及ぼす影響に関する研究,(3)職場レベルの実態分析と国際比較のための国内労働者調査データの解析,の3点であった。 2. 昨年度は,これまで行なってきたトヨタ自動車およびサプライヤーの労働者に対する面接調査のデータを整理し,再解読する作業が中心となった。ライン労働者にみられる独自の熟練(「組織的熟練」)とその形成システムを中心とした検討を行ない,「トヨタの職場と企業社会」 (『札幌学院大学人文学会紀要』第62号,1998年,235〜258ページ)を発表した。「組織的熟練」をトヨティズムのもとでのライン労働に対する否定的見解と肯定的見解の両極を揚棄するための戦略的概念として位置づけた。 3. 今年度はこの成果の上にたって,比較の意味で,国内のある自動車メーカーにおける経営再建とその過程でのトヨティズムの導入およびサプライヤーの再編について検討した。その成果は「自動車産業における協力会組織の形成と展開」(A4版26ページ)で,札幌学院大学社会調査室『調査と社会分析』第2号(1999年)に掲載される。 4. 北米を中心とした諸外国におけるトヨティズムの導入過程および職場生活の国際比較のための基礎作業に関しては活字化するまでにはいたっていない。研究成果報告書とその後の論文において果たす予定である。
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Research Products
(1 results)