歴史教育の日韓比較研究

1997 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 08610253
• Research Institution: Nagoya University
• Principal Investigator: 馬越 徹 名古屋大学, 教育学部, 教授 (60000030)
• Keywords: 歴史教育 / 歴史認識 / 歴史教科書

Research Abstract

本年度は最終年(第2年次)に当たるため、初年度に収集した文献資料の分析を中心に研究を行なった。
1.研究課題に関する文献資料の収集は初年度に引き続き行なった。特にこのところ、東アジア近代の「歴史認識」に関する文献資料(単行書、論文等)が数多く刊行され、それらが本研究に直接かかわるものが多かったため、これら文献の収集と目録の作成にかなりの時間を割いた。
2.韓国の中学校・高等学校の歴史教科書(「国史」)と日本の中学校・高等学校の代表的な歴史教科書(中学校の場合「地歴」、高等学校の場合「日本史」)の「日韓関係史」記述を定量的・定性的に分析することにより、韓国の対日認識、日本の対韓認識を比較考察した。なお、日韓両国とも現在大幅な教育課程(学習指導要領)の改訂が計画されており、特に韓国ではこれまで独立教科であった「国史」が「社会科」の一領域に改編される予定である。それに伴い日韓関係史記述にも変化の兆しが予想されるので、そうした最新の動向についても比較分析した。
3.ただし諸般の事情により、当初予定していた学校現場における歴史教科の「授業記録」の分析を十分行なうことができず、また本研究課題に関する文献目録の作成についても、ここ1〜2年予想以上に文献資料が刊行されたため、最終報告書の作成までには至らなかった。
したがって、6か月程度作業を続行して、最終報告書を仕上げたいと考えている。