1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08610273
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
望田 研吾 九州大学, 教育学部, 教授 (70037050)
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Keywords | イギリス / 専門中等学校 / 中等教育 / 専門化政策 / テクノロジー・カレッジ / 語学カレッジ |
Research Abstract |
本年度は、本研究のまとめの年度であり研究目的に沿って、第1に、保守党政府によって展開された中等学校の専門化政策の理念、目標を、前年度に収集した文献に加えて、今年度新たに収集した文献に基づいて分析した。この分析において、保守党政府は政権交代直前の1996年においても専門化政策をその中等教育政策の中心として拡大させようとしていたことを明らかにした。また、1997年5月に政権を獲得した労働党政府の政策についての考察も行った、その結果、労働党政府は専門中等学校を教育水準向上のための重要な手段と位置づけ継続する方針を打ち出し、この点については保守党政府の政策を継続させようとしていることを明らかにした。さらに、専門中等学校をめぐるイギリスにおける議論についても分析を行い、専門中等学校に対する財政的優遇措置への批判が見られることを指摘した。 第2に、前年度に実施した専門中等学校の校長等に対する質問紙調査についての、詳細な分析を行うとともに、収集した発展計画書、学校要覧などの関連資料の分析を行った。その結果、特に注目される点として、専門中等学校の教師たちは大半の学校において専門中等学校になることにポジティブな態度を示していたが、専門化する領域以外の教師たちの間にはある程度の不安や不満がみられたこと、また現在は専門中等学校の大半は非選抜的な入学方法をとっているが、専門化した領域に特化した適性などによる選抜を行ったり、考慮したりしている学校があり、専門中等学校と中等学校における選抜とが結びつく可能性があることを明らかにした。 以上の研究成果は刊行予定の研究成果報告書において報告している。
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Research Products
(1 results)