1998 Fiscal Year Annual Research Report
都市民俗学の手法を生かした震災復興まちづくりのための調査・研究
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08610316
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Research Institution | Osaka University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
田和 茂一 (森栗 茂一) 大阪外国語大学, 外国語学部, 助教授 (20188452)
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Keywords | 都市民俗学 / 応用民俗学 / 実験民俗学 / まちづくり / アジア / 住民 / 下町 / 震災 |
Research Abstract |
熊木県人吉市や埼玉県川越市などによる,市民発議のまちづくりや観光開発について,震災復興の新長田駅北区画整理事業地区住民の商業部会「アジア文化交流タウン」検討懇談会で資料提供した。 また,同地区のアジアセミナー(住民相互のまちづくり勉強会)において,アジア的豊かさの意味について提案した。二つの資料提供・提案を通じて,本年は参加型調査をすすめてきた。 その成果は「新長田駅北地区の商業活性化の方策〜アジアギャラリー構想(案)〜について」として住民提案のなかに盛り込まれ,その提案に基づいて,3月にアジアギャラリー・バイロットショップの着工が体格化した。 従来の都市民俗学の立場は,町で起きることを観察し,都市の意味を人々の生活の有り様から考えることであった。しかし,今回,民俗学的な意味での都市や,かつての下町における内なるコレクティブタウンの生活を「内なるアジア」と定義し,住民に提案するなかで,具体的な施設建設に結びついた。 本年の成果は,ある意味では実験民俗学の第一歩の試みがなされたことではないかと思う。実際の都市生活の提案に結びつく応用民俗学の始まりとなるのではなかろうか。
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[Publications] 森栗茂一: "介護の街ではなく、「はたらき」を活かす街" TOMORROW. 13-2. 46-53 (1998)
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[Publications] 森栗茂一: "幸福の都市はありますか" 鹿砦社, 86 (1998)