1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08610324
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Tenri University |
Principal Investigator |
関 雄二 天理大学, 国際文化学部, 助教授 (50163093)
|
Keywords | ラテン・アメリカ / 博物館 / 国家 / 展示 |
Research Abstract |
ラテン・アメリカ、とくに南米の博物館関係者の対するインタビュー記録については、とくに南米ペル-共和国で行ったインタビューを中心にテープ起しを行った。一方で博物館関係資料は、博物館発行パンフレット、カタログ、博物館関係のセレモニ-に出席した政府関係者の発言を扱った新聞記事など多岐にわたり、現地機関との間で連絡をとり入手につとめた。またラテン・アメリカの博物館を撮影した大量の写真フイルムについては、一部を現像し、引き延ばして資料としつつある。博物館における展示物の空間的な配置、パネルなどの補助装置をどのように利用しているかは、展示する側の世界観が表出する場所と考えられるので研究上必須の資料である。 こうした作業と並行して行った分析については、過去20年ほどの博物館建設計画についての経過と結果をまとめてみた。これによれば、南米のペル-というメキシコと並び称せられるほどの古代文明を有する国においても、メキシコ型の国立博物館を建設するという計画が存在し、また実際にその計画の一部は到達されたことが明らかになった。しかしながら、メキシコとは異なり、とくにどの古代文化を強調して展示しようという意図、すなわち古代文化の政治的操作は計画にもなく、展示にもとくに表れていない。また民族展示に対しても極めて扱いが軽く、古代文化と現代の先住民文化との融合を図ろうとしているようにも見えない。実際に、調査の結果、ペル-においては民族展示を行っている博物館は皆無に等しいこともわかった。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] 関雄二: "「盗掘者の論理」と「発掘者の論理」" 天理大学報. 第183輯. 197-214 (1996)
-
[Publications] 藤巻正巳・住原則也・関雄二編: "『異文化を知るための方法』" 古今書院, 242 (1996)