1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08610342
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Reitaku University |
Principal Investigator |
櫻井 良樹 麗澤大学, 外国語学部, 助教授 (90211268)
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Keywords | 政党政治 / 衆議院議員選挙 / 府県会議員選挙 / 日本政治史 |
Research Abstract |
研究計画にしたがって研究を進めた。本年は東京および関東地方各県に関して、以下の作業を行なった。昨年以来開始していた市会議員選挙のデータ収集を完成させた上で、すでに入力の終わっている基礎的データと合わせて、東京市部における政党影響力の浸透の在り方について検討を加えた。特に衆議院議員選挙・府会議員選挙・市会議委員選挙の競争状況の変化と党派別得票率の変化に注目して、これらの3選挙相互の関係を各区における選挙地盤の様相の変化と関連させて分析した(研究成果として公刊されるのは来年度になる)。その結果、衆議院選挙結果と府市会議員選挙結果の間には、日露戦後の時期に乖離が見られること、その乖離の原因は、府市会議員選挙には及んでいた各区における公民団体の候補者決定に関する規制力が衆議院選挙には及んでいなかったことによることが判明した。そしてこの公民団体の規制力は、日露戦前には衆議院選挙にも及んでおり最も強く発揮されていたのが、大正期以後になると府市会議員選挙においても弱まり、かわって政党の各区における影響力が増していくことが判明した。この東京市内における状況の変化は、他の大都市にも共通する現象であるか否かを、大阪市を題材にして検討中である。あわせて関東地方各県における政治状況の変化については研究会を2回開催し、それぞれ担当者を定めて各県の政党勢力の浸透について見直している。
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