1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08610356
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Yonezawa women's junior college |
Principal Investigator |
木本 好信 山形県立米沢女子短期大学, 日本史学科, 教授 (00175308)
|
Keywords | 藤原武家 / 藤原種継 / 藤原田麻呂 / 石上宅嗣 / 多賀城 / 橘奈良麻呂の変 / 南山背国 / 藤原家依 |
Research Abstract |
「長屋王木簡」「二条大路木簡」という新出史料に加えて、従来からの「続日本紀」「正倉院文書」をも駆使しながら、藤原四子体制下、中でも藤原宇合に注視した。いままでは藤原北家の祖 房前が政治的には評価されてきたが、最近になっては武智麻呂をも重視する成果もみえてきているが、この二人の弟の宇合も政治的に重要な存在であると思われる。また、この宇合を始祖とする藤原武家の動向にも矚目した。 藤原武家は、宇合の亡きあと一時は低迷するものの、奈良朝中期から末期にかけては他の藤原南・北家とは違った独自の政治的動向をとりつつ政治勢力を拡大していく。殊に宇合の孫である種継は、伯叔父である良継・百川らの光仁・桓武両天皇擁立の遺業を引きついで、政治権力を確立していく。若い時は、良継・百川の誘掖をえて、近衛員外少将・紀伊守・山背守という軍事・行政的枢職に補任して、反対派勢力の排除と武家勢力の確立に功績をあげ、良継・百川亡きあとは武家の中心官人として、その政治勢力の保持に尽力し、光仁・桓武朝に大きく活躍する。本年度は、奈良朝中期から末期の政治史について武家を中心に考察・解明した。
|
Research Products
(10 results)
-
[Publications] 木本好信: "紀船守・藤原種継の近衛員外少将・紀伊守補任について" 古代文化. 48巻7号. 55-59 (1996)
-
[Publications] 木本好信: "藤原家依について-その生年について-" 山形県立米沢女子短期大学付属生活文化研究所報告. 22号. 59-62 (1996)
-
[Publications] 木本好信: "藤原種継について(3)" 山形県立米沢女子短期大学紀要. 31号. 145-157 (1996)
-
[Publications] 木本好信: "藤原田麻呂について(上)" 山形県立米沢女子短期大学付属生活文化研究所報告. 23号. (1997)
-
[Publications] 木本好信: "藤原種継の兄弟・子女について" 政治経済史学. 367号. (1997)
-
[Publications] 木本好信: "石上宅嗣の遣唐副使罷免について" 続日本紀研究. 302号. 33-35 (1996)
-
[Publications] 木本好信: "多賀城碑文について" 米沢史学. 13号. 48-53 (1997)
-
[Publications] 木本好信: "藤原武家と南山背" 古代文化. 49巻(予定). (1997)
-
[Publications] 木本好信: "橘奈良麻呂の変と秦氏" 史聚. 31号(予定). (1997)
-
[Publications] 木本好信: "奈良平安時代史の諸相" 高科書店, 300 (1997)