1998 Fiscal Year Annual Research Report
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08610361
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Research Institution | HISTORICAL MUSEUM OF HOKKAIDO |
Principal Investigator |
門崎 允昭 北海道開拓記念館, 学芸部, 専門学芸員 (00132829)
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Keywords | 蝦夷地 / 鳥獣 / 魚介 / 動物被害 / サケ・マス / トリカブト / アイヌ民族 / 史料 |
Research Abstract |
近世の蝦夷地における自然環境と住民生活との係りを明らかにするために,蝦夷史料の中から動物道にその捕獲に用いる矢毒(トリカブト)に関する記録を抽出し,分類・整理を行った。またサケ・マスに関する論文を発表するとともに,3年間に調査した文献の解題を中心とする研究成果報告書を作成した。 1.主な調査期間:鶴岡市郷土資料館・宮城県図書館・北海道立文書館・北海道立図書館・市立函館図書館・国立国会図書館・東京大学総合研究博物館 2.調査史・資料:庄内藩・仙台藩士の蝦夷地紀行・日記,幕吏の蝦夷調査記録,地誌 3.史料に記載されている主な動物:(1)陸獣:海獣ヒグマ・エゾシカ・キツネ・テン・カワウソ・タヌキ・オオカミ・ウサギ・ネズミ・オットセイ・トド・アザラシ・ラッコ・クジラ.(2)魚介類サケ・マス・タラ・ニシン・ヒラメ・アメマス・イワシ・アブラコ・フグ・カジカ・ブリ.(3)鳥類・タカ・ワシ・ヱトピリカ・トビ・カラス・カモ・ハト・チドリ・ウ・ゴメ・カッコウ・ウグイス・ハクチョウ・カケス 4.史料の分析・論文等の作成:(1)アイヌ民族とサケ・マスとの係りについて,主として松浦武四郎の「蝦夷日誌」によって明らかにした。(2)幕末の開拓地におけるヒグマの被害について、白井米吉「北後紀行」によって明らかにした。 5.研究成果報告書の作成:平成8〜10年度に実施した本研究の概要,蝦夷地の動について記した文献およびアイヌ民族が野性動物の捕獲に用いた矢毒(トリカブト類)に関する文献の解題を収めた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 関 秀志: "幕末の開拓地(3)-ヒグマ事件-" 北海道史研究協議会支部交流会報 北の青嵐. 67. 3-6 (1998)
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[Publications] 関 秀志: "アイヌ民族と鮭・鱒-松浦武四郎の「蝦夷日誌」を中心として-" 松浦竹四郎研究会会誌. 24. 8-23 (1998)
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[Publications] 関 秀志: "アイヌ民族と鮭・鱒-松浦武四郎の「蝦夷日誌」を中心として-(続)" 松浦竹四郎研究会会誌. 25. 1-18 (1998)
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[Publications] 門崎允昭: "蝦夷地における動物相の文献学的研究" 北海道開拓記念館調査報告. 38. 91-110 (1999)