1996 Fiscal Year Annual Research Report
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08610374
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Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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| Research Institution | Rissho University |
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Principal Investigator |
野沢 佳美 立正大学, 文学部, 助手 (80277748)
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| Keywords | 明代大蔵経 / 南蔵 / 嘉興蔵 |
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| Research Abstract |
本年度は、明代大蔵経(南蔵・嘉興蔵)関係の史・資料を各地の大学図書館や研究期間などに所蔵されている中国の地方志や文集などから摘出して整理を行った。とくに今年度は、南蔵の印刷を担当した南京の民間業者(経鋪)関連の史料を集中的に蒐集・分析した結果、南蔵の印造事例をとおしてその印刷を担当した経鋪の変遷と動向をある程度明らかにすることができた。とくに南京経鋪は、明大末期(万暦年間以降)になると南蔵を購入すべく訪れた者達から、そのあくどい営業態度をいくどとなく訴えられたが、こうした彼らが引き起こした社会問題は、それだけ彼ら経鋪の影響力が強大になっていたことを示すもので、南蔵の印造事業への参入が招いた結果と見られる。従来、こうした仏典の出版を扱う民間業者については論及されることが少ないだけに、南蔵の印造事例をとおしての経鋪の実態解明は、中国宗教社会史や出版文化史の上からも、有意義なことと思われる。今後は、さらに史料の蒐集に努め、万暦年間に彼ら経鋪の動向に規制を加えようとした、南京礼部が明文化した「請経条例」公布の背景とその内容の分析を試みたい。
いまひとつの明代大蔵経である嘉興蔵については、目下のところ各卷末にある刊記の蒐集に努めており、およそ約四分の一程度集めることができた。この刊記の蒐集によって、これまで完全に解明されていない嘉興蔵の成立過程が明らかにできるものと考えられ、とくにその出版費用を寄進した人々の階層や出身地・寄進費用を分析することによって、社会文化史的見地からの考察が気体できるものと考えている。
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Research Products
(1 results)
