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1997 Fiscal Year Annual Research Report

近代ヨーロッパにおける進歩の理念

Research Project

Project/Area Number 08610395
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Research InstitutionMeiji University

Principal Investigator

三宅 正樹  明治大学, 政治経済学部, 教授 (50078284)

Keywords進歩の理念 / 完成可能性 / フォントネル / チュルゴ / コンドルセ / 千年王国論 / 終末論 / ヨアキム
Research Abstract

近代ヨーロッパにおける進歩の理念は、人間の無限の「完成可能性」(ペルフェクシビリテ)の信念に到達した。この信念の萌芽的形態はフランスの思想史のなかで、フォントネル(1657-1757年)に見られ、チュルゴ(1727-1781年)において確立されてコンドルセ(1743-1794年)に継承される。コンドルセの遺著『人間精神進歩史』が想定した人類史の第十段階としての未来史はこの「完成可能性」が実現される一種のユートピアに他ならないといえよう。進歩の理念が、このようなユートピアを未来に想定することにより、進歩の理念は千年王国思想に接近する。後者はユダヤ教とキリスト教のなかに含まれる終末論と密接不可分の関係にある。進歩の理念はこのようにして、一見正反対に位置すると考えられる終末論と接点を有する。このような発想から、ブダペストで7月初頭に国際史学史委員会とハンガリー科学アカデミー、ブダペスト欧州研究所が共催した時代区分をめぐる国際学会において、本研究の中間報告の意味も込めて、三宅は「西欧と非西欧の思想のなかの、ダニエル書からカ-ル・マルクスに至る終末論、千年王国論と時代区分」と題する英語の研究報告(7月5日)を行った。終末論の萌芽は旧約聖書の「ダニエル論」に見られるが、新約聖書の「ヨハネ黙示録」が明確な原型を形成する。カラブリアの神学者であったフィオ-レのヨアキム(1145-1202年)が終末論と結合した千年王国論を確立した。ヨアキムの黙示録的な神学は、マルクスが経済学に依拠した終末論的千年王国論を説くまで、ヨーロッパ思想史の地下の水脈であり続けた、と考えることも可能であろう。以上の発想に、非西欧世界に属する、インド、中国、日本等における千年王国論の存在形態の考察をも付加したのが、三宅のブダペストでの報告の概略である。ヨーロッパにおける進歩の理念の考察に同報告を着想を加えることにより、研究の深化をめざしたい。

  • Research Products

    (1 results)

All Other

All Publications (1 results)

  • [Publications] Masaki MIYAKE: "The Idea of progress in the West and the Non-Western World:A Comparative Approach" The Bulletin of the Institute of Social Science, Meiji University. Vol.20 No.3. 1-10 (1997)

URL: 

Published: 1999-03-15   Modified: 2016-04-21  

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