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1996 Fiscal Year Annual Research Report

飾り弓の材質と技法

Research Project

Project/Area Number 08610417
Research InstitutionHistory Museum of Hokkaido

Principal Investigator

小林 幸雄  北海道開拓記念館, 事業部, 学芸員 (10113466)

Keywords北海道 / 縄文文化 / 飾り弓 / ウルシ / 赤色顔料
Research Abstract

1 北海道における飾り弓の初現は、小樽市忍路土場遺跡から出土した縄文時代後期中葉の黒色漆塗り弓である。以後、後期末葉では9遺跡、晩期では1遺跡、続縄文時代では4遺跡から出土している。
2 千歳市丸子山遺跡から出土した縄文時代末葉の赤色漆塗り弓2例はともに全長170cm、また石狩市志美4出土の続縄文時代の赤色漆塗り弓2例はともに全長150cmに達する。これらの4例は長弓に相当するが、他はいずれも100cm前後の短弓に属する。
3 飾り弓の芯をなす木胎は、通例は埋土中に溶けて残ることは少ない。現在までに、木胎の樹種が同定された例として、千歳市美美4(呑口)のヤナギ、小樽市忍路土場の広葉樹環孔材がある。担当者(小林)は、苫小牧市タプコプ例について、表面漆塗膜の裏面に残る木胎圧痕の走査電子顕微鏡観察により螺旋肥厚をもつ管状繊維の存在から、イチイ(Tarus)あるいはイヌガヤ(Cephalotarus)と推定した。今後さらに、こうした木胎圧痕の走査電子顕微鏡観察による樹種同定の可能性について追求したい。
4 表面彩色部の構造や材質的な検討については、今までに、深川市音江遺跡の水銀朱例のみが知られていた。担当者(小林)は、千歳市丸子山例と苫小牧市タプコプ例について分析検討した。苫小牧市タプコプ例はベンガラ漆の単層からなる塗膜であるのに対して、千歳市丸子山例ではベンガラ漆を下塗りした上に、朱漆を重ね塗りしていた。しかも、この時のベンガラ漆には、外径が1〜1.5μm、長さが2〜15μmのパイプ状ベンガラ粒子を主体とする赤色顔料が用いられている。今後とも、彩色技法の時代・地域的な変化を追求したい。

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Published: 1999-03-08   Modified: 2016-04-21  

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