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1997 Fiscal Year Annual Research Report

《春と修羅 第二集》その動態の解明

Research Project

Project/Area Number 08610440
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Research InstitutionShimane University

Principal Investigator

木村 東吉  島根大学, 教育学部, 教授 (90031814)

Keywords宮沢賢治 / 春と修羅 第二集 / 詩稿成立期
Research Abstract

1.前年度に引き続き、宮沢賢治記念館に出張し、《春と修羅 第二集》の詩稿を調査した。その結果、『新・稿本宮沢賢治全集』第3巻校異編に翻刻上の誤り50カ所確認した。
2、詩稿の色鉛筆による手入れを調査した結果、薄茶色鉛筆による手入れが、宮沢清六氏所蔵の「雨ニモ負ケズ手帳」の書き込みにおける薄茶色鉛筆の色と一致することを確認した。これによって、手入れ時期に一定の線を引くことが可能になった。
3、『新・稿本宮沢賢治全集』では、一作品ごとの詩稿の成立順序だけを追跡している。このため、たとえば書きながら消しゴムで消して訂正した表記は、詩稿の第1形態成立時のものと判断して良いはずだが、この全集では、必ずしもこうした基準を設けて、詩稿を整理していない。こうした点を考慮した詩稿の整理によって詩集の動態の解明を進めている。
4、宮沢賢治の一年先輩の安部憲吉氏の盛岡高等農林における講義ノートを調査した。これに心理学のノートが含まれており、この中に参考書として、Wiriam Jamesの、Principles of Psychology 2.Vols.とBpicfer cupseが紹介されていることを確認した。これによって、宮沢賢治がWiriam Jamesにふれた時期が、在学中である可能性が極めて強いことが確認された。
5、宮沢賢治の一年後輩の河本緑石の蔵書および資料を調査し、河本緑石の読みが、カワモトロクセキであることを、自筆のローマ字書き資料、仮名書き資料で確認した。同時に、身近な遺族もリョクセキと読んでいたことを死亡通知の電文で確認した。また、緑石の日記によって、宮沢賢治と河本緑石の交流が始まった時期が、大正5年秋以降であることが確認された。

  • Research Products

    (1 results)

All Other

All Publications (1 results)

  • [Publications] 木村東吉: "賢治と緑石の一面" 論攷 宮沢賢治. 創刊号. 62-74 (1998)

URL: 

Published: 1999-03-15   Modified: 2016-04-21  

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