1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08610444
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
千艘 秋男 東洋大学, 文学部, 助教授 (20103575)
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Keywords | 文芸活動 / 文献資料 / 雪玉集 |
Research Abstract |
本研究は、三條西実隆とその文芸活動を考察することを最終的な目標とする。実隆の文芸活動は多岐に亙っているが、今回は和歌及び連歌を研究対象に据えた。実隆の生涯を通しての文芸活動を、総合的に研究するための基礎的な文献資料の収集と整理を目指している。 本年度前半は、昨年度に引き続いて和歌関係に重点を置き、主に家集『雪玉集』の版行以前、即ち永正年間から寛文10(1670)年までの約150年間に書写された諸本の調査と資料収集を行った。後半は連歌関係に重点を置いて、主に実隆に関連のある千句連歌及び千句連歌残闕、百韻・和漢連句や関連資料の調査と資料収集を行った。そのために、夏季・冬季・春季休暇を利用して特殊文庫・図書館・寺社・個人等を訪問し、諸本調査と資料収集に努め、併せて実隆自筆の文献資料及び関連資料の調査・収集をも行った。 その結果、和歌関係では、『聴雪集』『遥雪集』『逍遥院百首』『実隆百首』『逍遥院詠藻』『一人三臣抄』等の昨年度末調査の23本の調査と資料収集を成し得た。また、連歌関係では、かつて刊行の『三條西實隆集』には千句連歌及び千句連歌残闕を収めたので、今回は、百韻、和漢連句や関連資料の調査と資料収集を行った。実隆の独吟・両吟・三吟の百韻を初め、和漢連句や関連資料として77篇の調査と資料収集を成し得た。 『雪玉集』の版本と諸本の相関関係を究明するために、諸本間の本文対校が不可欠であり、諸本調査と併行してその基礎的な校本作成に着手した。また、連歌関係でも、文献資料の調査・収集と併行して内容の検討、整理を行っている。来年度は、本研究には期間的な制約があるので、実隆の連歌関連の事績を整理する予定である。
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Research Products
(1 results)