1997 Fiscal Year Annual Research Report
多分野に渡る業績を残す近世期文人、多田義俊に関する伝記および業績の研究-近世文化研究への一階梯として-
Project/Area Number |
08610449
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Research Institution | Nakamura Gakuen University |
Principal Investigator |
古相 正美 中村学園大学, 家政学部, 講師 (30268966)
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Keywords | 多田義俊 / 随筆 / 著作 |
Research Abstract |
本年度は、基本的文献として『群書類従』を購入した。また、国会図書館や内閣文庫を始め、東北大学図書館などに所蔵されている多田義俊の著書を版本・写本とも調査・収集した。この調査は昨年度から継続して行なっているもので、それらの調査結果をもとに、書誌を中心とした多田義俊著作データベースを作成した。特に版本に関しては、同一書でも刊記などに違いが多く、その実態を把握することが出来た。 また、随筆書類の項目を検討し、同一書名に異本があり、異書名でも同一項目が存在するなど、錯綜した内容があることに気付き、それらの項目を全てあげて、データベースとした。 論文としては、多田義俊に関する発表を行ない、さらに、未翻刻の随筆書で独自の本文を持つ『千加屋草』(茨城県歴史館所蔵)を翻刻し、天理図書館本で対校したものを発表した。 そうした調査や成果をもとに、多田義俊の全体像をまとめようとしたが、全てを把握するには至らず、伝記の見直しも中途の段階である。したがって、当初に計画していた、一冊の書物として多田義俊の全体像を明らかにした報告書とする事は、現段階では無理である。これに関しては、他日を期して、出来うる限り早期に出版したいと考えている。 しかし、上記の随筆データベースと著作データベースは完成しており、また、故実書類の諸本調査と内容に関する研究は、その一方で進んでおり、今回の報告書は、そうした内容になる。また、伝記に関しては不完全ではあるが報告書に盛り込みたいと考えてもいる。
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