1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08610456
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
村田 雄二郎 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (70190923)
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Keywords | 国語 / 漢字 / 簡体字 / 銭玄同 / 国民政府 |
Research Abstract |
1)東洋文庫、東京大学東洋文化研究所図書館などで資料収集につとめ、また研究上必要な新規図書とパーソナル・コンピューター式を購入した。さらに、7、8月には(財)交流協会の研究助成を得て台湾を訪れた機会を利用して、図書館や公文書館において資料調査を行った。このようにして集積された資料をもとに研究を進めたが、本年度はとくに、近代中国の国語統一運動に大きな足跡を残した銭玄同の言語思想を中心に分析し、彼の漢字改革をめぐる認識とその歴史的背景を、1935年の国民政府による簡体字施行の動きと重ね合わせつつ考察した。 2)1で得られた研究成果の一部を、「もう一つの簡体字-漢字とナショナリズム」と題する約12000字の論文にまとめ、要旨を中国現代思想史研究会の1997年1月例会において口頭発表した。この論考は、近刊の『言語・国家そして権力』(ライブラリ相関社会科学第4号、田中克彦ほか編、新世社発行)に収録される予定である。 3)漢字のコンピューター処理に関して、研究遂行上感じた問題点を「コンピューターと現代中国研究」と題するエッセイ(約3500字)にまとめた。文部省科学研究費重点領域研究113・現代中国の構造変動「Newsletter中国領域研究」No.4(1997年2月刊)に掲載。 4)京都大学人文科学研究所図書館での資料調査のため、出張旅費を計上していたが、その後、同図書館が今年度は改築工事により、閲覧を一時停止することを知り、やむなく計画を中止した。この費用は消耗品の購入に当て、来年度に改めて調査旅費を計上することにした。
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