1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08610458
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
釜谷 武志 神戸大学, 文学部, 助教授 (30152838)
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Keywords | 楽府 / 雅楽俗楽 / 百戯 / 宋書楽志 |
Research Abstract |
1.出土資料を中心に 雅楽と俗楽とをそれぞれ管轄する役所は、前漢時期は太楽と楽府であったのが、後漢時期では、太予楽署と承華令とになる。その際使用する楽器が、従来は雅楽では鐘や〓といった金石であり、俗楽では管弦楽器であるとされていた。だが、前漢墳墓の出土品等の画像では、俗楽で金石の楽器が用いられており、これはこれまでよく分からなかった『漢書』礼楽志の記述と、むしろ合致する。俗楽が雅楽にとりこまれていく一方で、使用する楽器も出入りがあったわけで、時代の推移による雅楽俗楽の区分の変化を、跡づける必要がある。 また画像石によると、百戯とよばれる様々な雑技が音楽を伴っていたと考えられ、こうした技芸を披露する場の多くは宴席であり、そこで俗楽を伴って楽府詩が歌われたと想定すれば、後の建安詩の形成過程の解明に寄与するところがある。 2.文献資料を中心に 先秦時期の俳優の技芸や弁論が、実は前漢における賦の朗詠の淵源の一つであって、こうしたものが演じられる場に着目すれば、皇帝などの催す宴席があげられる。西域から伝来した音楽、舞、雑技をも加えつつ、歌舞や雑技が披露される場での、歌われるうたが楽府詩であって、これは時代とともに容易に変容していく。一方、郊祀と宗廟の祭りの歌は規範性を継承していて、変化の度合いが小さい。 制度としての楽府を考える際に、最も重要な文献資料である『宋書』楽志一について、訳注を完成し、更に検討を加えての公刊を計画している。同楽志二所収の楽府詩、とりわけ郊廟の歌の訳注を引き続き行なっている。
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Research Products
(1 results)